【結果】 マンチェスターU1-1(PK:6-5)チェルシー(19:00/ハノイ) [得点者] 26' Cロナウド(マンチェスターU)←ブラウン 44' ランパード(チェルシー)
【布陣】 マンチェスターU(4-4-2) FW:テベス、ルーニー MF:Cロナウド、ハーグリーブス MF:キャリック、スコールズ DF:エブラ、ヴィディッチ、ファーディナンド、ブラウン GK:ファンデルサール
チェルシー(4-3-3) FW:マルダ、ドログバ、Jコール MF:ランパード、マケレレ、バラック DF:Aコール、テリー、カルバーリョ、エッシェン GK:チェフ
【感想】 前半は立ち上がりからほぼマンチェスターUのペースで進んでいましたね。 両サイドバックをあまりあがらせず、チェルシーのマルダとJコールをケアさせて、中盤の数的優位を生かしてオフェンシブハーフに入れたハーグリーブズが右サイドで主導権を握ってチャンスメイクしていました。 マンチェスターUは2トップ、特にルーニーがよくくさびのボールを収めていたのも大きかったと思います。 チェルシーの方はクサビのボールが入っても中盤がそれをフォローできる位置に上がれてませんでしからね。 このあたりは歴戦の兵であるファーガソン監督の作戦がうまくはまった感じでした。 Cロナウドがボールを持って仕掛ける形はあまりなかったのですが、右サイドで作ってそのクロスにゴール前に飛び込むという狙いは見て取れましたね。 それが26分にゴールに結びつきました。 スローインからのワンツーで崩し、フリーとなったブラウンがクロスを入れてCロナウドが合わせました。 どうしたって足技が目立つCロナウドですが、上背もありゴール前のポジショニングもいいのでヘディングでのゴールも多いですね。 思惑通りの試合を難しくさせたのは残り10分を切ったくらいから、マンチェスターUの選手が引いてしまったためでした。 前半は1-0でいいという意識がら気持ちが守備的になってしまったので、それまでほぼ何もできなかったチェルシーが押し上げることができるようになったんですよね。 これで前線と中盤がコンパクトになって、以降チェルシーペースになっていきます。 こういことはけっこうあって古い例を出すなら、フランスW杯アジア予選の日韓戦もそうでした。 互角の勝負展開を山口の芸術ループシュートで打ち破り、韓国の選手を完全に浮き足立たせたのですが、その後の選手交替で加茂監督が秋田を入れたため、選手たちは1点を守りきると解釈して引いてしまったんですよね。 日本が前に来ないからショック状態だった韓国の選手もとりあえず攻め始め、次第にリズムを掴んで逆転まで行きました。 あの敗北は衝撃というより、腹立たしかったですね。 話しを戻しますと、90分フルに飛ばすわけにもいかないですからマンチェスターUの選手がペースを落とした判断は間違いではないと思いますが、この試合くらい両チームの内容に差があるなら最後まで2点目を取りに行く判断の方がよかったのでしょうね。 ただ、その前にはマンチェスターUもカウンターからのテベス、ハーグリーブスが決定的なシュートを放ってるんですよね。 それをスーパーセーブしたチェフのプレイも大きかったです。 疲労もあったのかマンチェスターUは相手にみすみすリズムを渡してしまう形となってしまいました。 失点シーンはDFに当たってこぼれたこともあって不運でもありました。 しかし、マンチェスターUが前半に作ったわずか5分強の隙をしっかり突くチェルシー、あそこまで上がっていってこぼれ球をしっかりものにするランパードはさすがですね。
後半から延長戦にかけては立場がすっかり逆転してほぼチェルシーペースで進みます。 マンチェスターUの選手は運動量が落ちて中盤のプレッシャーがゆるくなってしまっていました。 そのためフリーでミドルシュートを打たれるシーンも出てきて、エッシェン、バラックのシュートが枠に飛ばずに助かりましたね。 チェルシーはセカンドボールもほとんど拾ってましたから、波状攻撃がすさまじかったです。 ドログバのポスト直撃、ランパードのバー直撃弾が決まっていればというところでしたね。 その後もチェルシーはマンチェスターUゴールにシュートを浴びせまくるのですが、なかなかゴールが遠いです。 押されながらもマンチェスターUは決定機をいくつか作るのですが、こちらは最後のシュートまでが少し遠かったですね。 激しいプレイの応酬はもちろん、ピッチコンディション、雨の影響もあるのか後半は早くから足をつる選手が出てきていましたね。 同じリーグで覇を争ってきたライバルチームということもあって選手たちも次第にエキサイトしていきました。 そして延長後半に選手のもみ合いから手を出したドログバが退場、これで試合の流れが動きましたね。 押していたものの1人少なくなったチェルシー、押されていたマンチェスたーU、残り時間も少ないということで、PK戦という雰囲気が生まれていきました。
さすがに世界最高峰の舞台、PK戦も見物でした。 テベスはまだ若いですけど1番手を任されてきちんと落ち着いて決めますねぇ~。 圧巻だったのはチェフです。 Cロナウドの助走フェイントに微動だにすることがありませんでした。 あの瞬間、Cロナウドにはチェフの体がものすごく大きく見えていたのでしょう。 結局短い助走からのキックとなり、完全にタイミングとコースを読まれて止められてしまいました。 その後は両チームともきっちり決めていき、いよいよ最後のテリーが決めればチェルシーは悲願の欧州CL優勝だったのですが…。 PK戦前にピッチの影響、足をつった影響がPK戦の勝敗を分けるかもなぁ~ということが頭をよぎったのですが、まさか最後の最後あの場面でしかもキャプテンのテリーに出てしまうとはね。 キックの瞬間に軸足が滑ってシュートはポスト直撃、思えばPK戦前の(使用するゴールと先攻後攻を決めた)2回のコイントスで、テリーは2度とも負けてたんですよねぇ。 そこから運がすでになかったのか、ドログバの退場で流れが悪くなったのか…。 サッカーはこれだからおもしろいのですが、当事者としては相当悔やまれるでしょうね。 しかし、そういうドラマがあるからこそ、観てるものに感動を与えます。 サドンデスとなったPKは先行のマンチェスターUが5人目、6人目ときちんと決め、チェルシーはアネルカがはずし、マンチェスターUの9年ぶりの優勝となりました。 解説の清水さんも言ってましたが、PKは助走が短いとGKにタイミングを合わされやすくなるので、逆を突かないと止められる確率が高くなるんですよね~。 選手それぞれ蹴り方があるのでしょうが、鹿島の選手には助走を大きくとって蹴ってほしいものです。 レオナルドみたいにGKにコースを読まれても止められないくらいのスピードボールをサイドネットに決める自信があるのならいいんですけどね。
こーめいはマンチェスターUを応援していたのでうれしかったです。 やはり経験というものがマンチェスターUに優勝をもたらしたのかなと思います。 これで年末のクラブW杯では欧州チャンピオンとして、マンチェスターUが来日することとなりました。 鹿島がマンチェスターキラーとして、世界中のマンチェスターに恐れられていることはあまりに有名ですからね。 ACLを意地でも優勝して、対戦を実現してもらいたいです。 その前に来月からは欧州選手権が始まるので、そちらもすごく楽しみですねぇ(^_^) やはり海外サッカーを観ると勉強になります。 特にクロスなんて得点したシーンこそファーにいたCロナウドに合わせましたが、チャンスを演出しているクロスはほとんどスペースに出してるんですよね。 それをDFがぎりぎりのところでクリアするというシーンが多かったです。 日本代表や鹿島の試合を見ていると、クロスを人に合わせようとする場面が多いです。 かつて鹿島に所属しMVPにもなったジョルジーニョのパスはピンポイントクロスと言われていました。 しかし、ジョルジーニョのクロスは突っ立っているFWに合わせているわけではなく、走りこんでくるFWに合わせていました。 要するにスペースに蹴っているわけで、微調整して合わせているのはFWなんですよね。 ジョルジーニョのクロスはあまりに走りこむFWがシュートしやすい優しいボールだったので、ピンポイントクロスって言われてましたけどね。 日本人選手は性格的に献身的すぎるのかあまりにも人に合わせようとしますよね。 そうすると蹴る瞬間の体勢がよくないといいボールをあげられないので、クロスを入れられるタイミングで入れなかったり、ドリブルでも完全に抜ききろうとします。 でも実際はドリブルで相手より半歩前に行けばクロスは上げられるわけで、そういうプレイが普通でないといけません。 海外のサッカーを観ても仕掛ける前にゴール前の味方の選手の位置をだいたい確認して、仕掛けてだいたいのスペースに蹴ってますよね。 ジョルジーニョほど正確でなくてもいいので、ある程度アバウトにスペースに蹴ってFWを走りこませるようなクロスをもっと入れてほしいです。 そうすればケースバイケースで逆に人に合わせるクロスも有効になってきますよね。 Jリーグにはあまりサッカーの試合を観ないという選手も多いみたいですが、すごく参考になりますし高いレベルの選手に憧れてそれを目指すというのも大事だと思います。 でもよく観ていけば、例えばFWなんてのも一流の選手こそ基本的な動きを大事にして、しっかりこなしてるだけなんですよね。 Jリーガーも分かってるのでしょうが、その基本ができてないから得点ランキング上位に外国人ばかりが並ぶことになっているわけです。 Cロナウドやルーニー、テベスにできていることが自分にできないわけがないというくらいの気持ちで練習に励んでほしいですね。
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テーマ:UEFAチャンピオンズリーグ - ジャンル:スポーツ
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