【ACL・GL】堅実なスタート…の長春亜泰 |
【結果】 2月23日(火) AFCチャンピオンズリーグ2010 鹿島1-0長春(19:00/カシマ/5,757人) [得点者] 42' 中田 浩二(鹿島) [フォーメーション] 興梠、マルキーニョス 野沢、ガブリエル 中田、青木 イバ、イジョンス、岩政、篤人 曽ケ端
【試合の感想】 長春亜泰は本来は3バックということですが、この試合では完全に5バック、フォーメーションは5-4-1でした。 ボールを奪ったら1トップのウッドリーに当ててしっかり押し上げで攻めて、ボールを奪われたら素早く戻って5-4のラインを作って前からプレスをしつつ、守ってカウンターを狙うという戦術でしたね。 鹿島がボールを支配して繋いでいきますが、スペースがなくなかなかゴール前にボールを持っていけず、序盤のシュートシーンはマルキーニョスが遠目から強引に打っていくくらいでした。 新井場が積極的にオーバーラップして状況を打開しようというプレイがいくつか見られ、そんな中から意表をついたシュート?がバーに嫌われるという惜しいシーンが最初の決定的なチャンスでした。 やはりこういう展開ではドリブルで仕掛けて2,3人の注意を引きつけるようなプレイをしないとパスを繋いでというだけでは崩すのは難しいですね。 フィリペ・ガブリエルがこぼれ球を拾ってシュートまでいったシーンも、篤人がスペースにドリブルでしかけてからのワンツーでしたからね。 ドリブルでの仕掛けという1対1で抜くというイメージがありがちですが、スペースに仕掛けていくドリブルをするとスピードに乗ったプレイが生まれますし、リズムも緩から急に切り替えられるので効果的ですよね。 32分にはイバのセンタリングからフェリペ・ガブリエルに合わせていくシーンがありましたけど、そこも中田浩二が前を向いてドリブルでボールを運んで左サイドに展開したのが効果的でした。 42分に鹿島がFKから先制します。 その前にも1つあったのですが、岩政とイジョンスをおとりに使っての中田浩二のヘッドでした。 中田浩二はあまり空中戦に強いイメージはないですが、身長も182センチあってポジションどりもうまいので実は昔からけっこうセットプレイから得点してましたね。 鹿島はこのいい時間帯での先制点で試合運びがしやすくなりました。 長春亜泰は後半開始から2枚カードをきってきて、高い位置からプレッシャーをかけてくるようになりました。 序盤はボールを持たれて中田浩二がイエローカードをもらったりもしたのですが、相手の出方を把握してからはまた鹿島がペースを握りました。 後半途中に疲労からプレスが弱くなり、バイタルエリアでフリーにしてしまうが場面がありましたが、相手のミドルシュートのほとんどはあさっての方向に。 危ない場面はスローインからボールの取られ方が悪く、長い距離のドリブルを許していいミドルシュートを打たれた、その1つくらいでしたね。 シュート数が少なく後半に追加点がほしかったところですが、この試合のテーマを勝ち点3と新戦力との連携アップと考えるなら悪くない試合だったと思います。 小笠原も本山もいなかったですし、ジウトンを試すこともできました。 今季はW杯もあって例年以上に日程が過密で、ローテーションを組んでいくなら出場停止や怪我などに関係なく主力選手を休ませても勝てる試合を作っていかないといけないですからね。 そう言った意味でもテーマに沿ってしっかり勝利することができたと言えるでしょう。
新戦力の手応え 連携と怪我が心配されたイジョンスですが、京都でも見せていたように強さ、カバーリングなど能力の高さはさすがですね。 危険なパスミスがいくつかありましたが、連携面は特に問題なくコンディションが上がればもっとやってくれそうです。 フェリペ・ガブリエルはやはり本山やダニーロとは違うタイプですね。 下がってボールをもらって起点になったりゲームを作るのではなく、FWのラインに入ることも多かったです。 ただ、ペナルティエリア内でのポジショニングはすごくいいのでチームでフェリペ・ガブリエルの特徴を生かしていければ得点も期待できると思います。 鹿島の選手からは「ブラジル人じゃないみたい」という声が出るほどで球離れはすごく早いですね。 この試合では足をつって途中交代しましたが、コンディションと連携がもっと上がっていけば幅の広いプレイも見せてくれるようになるかもしれません。 新戦力ではないですが今季出場機会が増えそうな遠藤は、フェリペ・ガブリエルと代わって入りました。 1点差でしたし初戦ということもあってチームとして無理をしない戦い方をしていたので、思い切ったプレイは見せられませんでしたが、2度ほどスペースにドリブルでボールを運んで落ち着かせるというシーンがありました。 DFが跳ね返したボールをすぐに相手に拾われたり、前線の選手が簡単にボールを取られたら後ろは苦しくなりますからね。 攻めにいく展開ではあそこからドリブルなりパスなりでシュートまで持っていく形を作っていければいいと思います。 ジウトンは昨季途中出場から失点にからんで新潟がホームで勝てない時期を作ってしまった原因にもなっていたのですが、時間が短かったのでまだよく分かりません。 ただ、スピードがあってフィジカルも強いですしオリヴェイラ監督が鍛えたら戦力になってくれると思います。
キーパーソンは野沢 本山が離脱中でダニーロが退団したので、鹿島の攻撃は野沢がキーパーソンになることは間違いないでしょう。 前述したようにフェリペ・ガブリエルは前に入っていくタイプなので、実は野沢とプレイスタイル、プレイエリアがかぶります。 だから野沢が昨年まで本山やダニーロがやっていたボールキープをして落ち着かせたり、ゲームメイクをする役割を担えるかが重要となってきます。 この試合でも野沢が少し下がってポジションを取るようになってから攻撃がスムーズになりました。 本山はフィジカルは強くないですが空間認識力がすごく高く、相手のいないスペースへ、スペースへボールを運ぶのが得意です。 それをフルに使って中盤でボールを落ち着かせたり、展開してました。 遠藤も同タイプで、逆にマルキーニョスは相手選手がいる方へとドリブルする傾向があり、スペースがなくて苦しくなる場面がよくあります。 ただ、マルキーニョスはフィジカルが強いのでそれでも何とかしてしまうのですが。 ダニーロもフィジカルを生かしてボールをキープするタイプでしたね。 野沢はそのどちらでもなくドリブルで仕掛けていくタイプでもないので中盤での起点となるとちょっと厳しいとは思うのですが、そこは天才ですから何とかしてくれるでしょう。 フェリペ・ガブリエルとの連携が上がれば、二人で状況に応じて自在に役割を切り替えることも望めますし、野沢はブラジル人とは感覚が合うのでよりパワフルかつ切れ味のいいプレイを期待しています。
AFCアジアカップ2011 予選Aグループ バーレーン代表戦(J'sGOAL) バーレーン戦のメンバーが発表されました。 海外組を召集する最後のチャンスなので、小笠原は選ばれませんでしたね。 興梠は選ばれましたが、森本を呼んでいる以上使われるのかどうか疑問です。 途中出場の機会はあるかもしれないですが、小笠原とセットで使ってみるというのもいいと思うんですけど。 テレビ中継の撤退が決定しているので、海外組を召集した国内での試合なのにテレビ放送がないということになってます。 日本代表人気、いや岡田ジャパン人気のなさの表れと言えるでしょう。 まあ、ゼロックスとJリーグ開幕という谷間にある消化試合なのでケガをしないでくれたらいいのではないかと思います。
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エヴォルソン[新化]の1年のスタート |
・イジョンスの加入 ・船山、鈴木の復帰 ・スローガンがエヴォルソン[新化]に決定 ・新ユニフォームと背番号の発表 ・小澤の退団とスポルティボ・ルケーニへの移籍決定 ・田代、増田が山形にレンタル移籍 ・後藤、パクチュホ、石神の移籍、ダニーロの退団 ・青森山田高校の柴崎岳の加入が内定 ・フェリペ・ガブリエル、ジウトンの加入が決定 ・小笠原の代表復帰 ・宮崎キャンプ ・Jリーグの日程発表 ・本山がヘルニア手術で復帰まで約3ヵ月 ・茨城サッカーフェスティバル水戸戦
オフシーズンに入ってから日本代表の試合が行われている間にも、鹿島では多くの動きがありましたね。 23日にはACLも始まり、長春亜泰戦、ゼロックススーパー杯ガンバ大阪戦、そしてJリーグ開幕の浦和戦と続きますから、こーめいも鹿島モードに切り替えていきたいと思います。
冒頭に箇条書きした主要出来事から今回は新スローガンをピックアップします。 こーめいもここ数年は自分なりに鹿島のスローガンを考えているのですが、今年は『貪欲』な1年になればと思っていました。 というのも昨年3連覇を達成して鹿島OBからお祝いのコメントが届いていましたが、ジーコを始めほとんどのブラジル人OBが「まだ天皇杯がある」と言っていたんですよね。 日本から遠く離れた地にいながら残ったタイトルも取りに行けという気持ちを持っている、その『貪欲』さはすごいと思いました。 それと普段海外のサッカーを見ていて選手のプロ意識や勝利への気持ちもそうですが、マンチェスター・ユナイテッドのファーガソン監督の貪欲さと言ったらすさまじいですね。 もうすぐ70歳になろうというのにこれまでも数々のタイトルを取りながら、まだタイトルを求めていく気持ちが誰よりも強いです。 下手したらスタジアムで観るJリーガーよりもテレビで観るファーガソン監督からの方がより貪欲さを感じるほどですよ。 鹿島にはジーコの時代から伝統として受け継がれてきたスピリットがあるので、選手たちの貪欲さは他クラブより強いと思います。 しかし、昨年もJリーグとACLのダブル、そして3連覇の後にも「天皇杯も獲りに行く」と選手は口々に言ってましたが、どちらも失敗してしまいました。 やはり、そこにはブラジル人やファーガソン監督の貪欲さとは差があるように感じます。 だからこそ、今年は本気で4連覇とACLを狙いに行く年ですから、貪欲さをむき出しにして戦ってほしいですね。
『貪欲』という言葉はあまりいいイメージは一般にはないのでスローガンとしては適してないと思ってましたが、実はオリヴェイラ監督がよく言葉にする『謙虚さ』を持つということでもあります。 昨年のナビスコ杯決勝の表彰式で川崎選手の態度が問題になってましたね。 あの頃川崎は10月4日の横浜戦から連勝しており、ナビスコ杯決勝前には広島に7-0という大差で勝利していました。 実際に選手からは「今は負ける気がしない」というコメントも出てまして、過去の鹿島もそうでしたがこういうコメントが出るとけっこうあっさり負けてしまうことが多いです。 経験のあるオリヴェイラ監督なら「まだ我々は何も成し遂げていない」と選手の気を引き締めるところですが、チームの調子もよくて初タイトルをという気持ちから川崎の選手は「すでに何かを成し遂げたつもり」になっていたのでしょう。 つまり、貪欲さが薄れてしまったためにタイトルに手が届かず、謙虚さを失ってしまっていたから敗戦という結果を受け入れられずに表彰式であんな態度を取ってしまったということです。 過去の素行と表彰式でガムを噛んでいたことを考えると森選手だけは根本的に別の問題があるとしか考えられませんが、人間調子に乗ってると誰しもやってしまう失敗だと思いますよ。 川崎はJ2で圧倒的な強さを見せてJ1に昇格しました。 しかし、その時にはJ1で上を目指すという貪欲さがありましたから、謙虚さというものを失うことはなくJリーグでも優勝を争うチームになったわけですから。
オフシーズン、小澤選手はこの貪欲さと謙虚さを示してくれました。 なかなか出場機会がない中、それでも常にいつ出場機会が来ても準備してくれている鹿島の選手にとってもサポにとってもすごく頼もしい存在です。 大岩選手も同様なのですが、名古屋、磐田、鹿島でレギュラーとして活躍してタイトル獲得にも貢献したという実績があっての現在ですからね。 昨年に日本人選手とは全員契約を更新したという報道があったときに、こーめいはずっとベンチ入りの第2ゴールキーパーの小澤選手は移籍して出場したいという気持ちがないのかなって思ってました。 しかし、やはりプロにまでなる人ですから貪欲さというのは人一倍強いですね。 鹿島退団を決意して南米で移籍先を探し、先日パラグアイリーグ1部スポルティボ・ルケーニョに決定しました。 家族もあって勇気のいる決断だったと思いますが、ゴールキーパーは40過ぎても活躍している選手が海外のトップリーグでもいますからね。 新天地でがんばってほしいです。 選手にはぜひこの小澤選手のチームのために決して手を抜かず常に準備する、常に上を目指すという謙虚さと貪欲さを鹿島のスピリットとして受け継いでほしいですね。 今年のスローガンは『エヴォルソン・新化』に決まったわけですが、チームの世代交代を図りながらもJリーグとACLのダブルを狙う。 新化するためにどこまでも貪欲に上を目指していきたいですね。 もちろんサポーターもそうなっていかなければいけません。 オリヴェイラ監督は「ACLを含め平日ナイター開催の際は、スタジアムに来るのは難しいことは理解しているが、それでもぜひスタジアムでの観戦をお願いしたい。ビジタークラブが立ちすくんでしまうくらいの雰囲気をつくっていきましょう」とコメントしてます。 平日ナイターの試合の観客数を増やすには、週末の試合の観客数の絶対値を増やすことが地道な方法ですが近道だと思います。 昨季の鹿島の観客動員数は01シーズンに次いで多かったのですが、00シーズンに3冠という偉業を果たしていることを考えると現在は強いから観客数が増えているという状況です。 それはそれでいいと思います。 今季も強い鹿島を観ることができるなら観客数を増やしていくことは可能でしょう。 多くの人に鹿島に興味を持ってもらえるチャンスがあるこの時期だからこそ観客動員数の絶対値を増やすこと、チームの成績に関係なく応援してくれるサポーターを増やすことをしなければいけないでしょう。 そのための案をこーめいはいくつか考えているので、今度は「観客動員数を増やすために」というテーマでサポーターズミーティングをしてもらえるようクラブにお願いしていきたいです。
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最悪のシナリオへまっしぐら…の韓国戦 |
韓国もよくないと聞いていたのですが日本らしさを目指す日本代表にはそんなものは関係なく、ベネズエラ戦、東アジア選手権の2試合を見てそこから予想される通りの試合内容、結果だったと思います。 岡田監督の続投もこれまた予想通りです。 もとよりこーめいも日本サッカー協会が監督交代するつもりがないという諦観の念から岡田監督消極的支持派なわけで、試合後に翌日犬飼会長と岡田監督らで緊急会談の場が持たれるという報道にもあくまで結論ありきのポーズだと思ってましたから。 川渕前会長はトルシエ同様、自分の思い通りにならない(召集メンバー発表をギリギリにしたり分割発表したりその他日程についてももろもろ文句を言ってくる)オシムに辟易していたわけで、当然後任監督の選択肢には日本人監督しかなかったわけです。 それには岡田監督はうってつけだったということですね。 岡田監督も川渕前会長の言うことには逆らえないですし、ずっとサッカー界から離れていたところサッカー協会の職を世話してもらった恩義がありますからオファーがあった時に断る選択肢、さらには現在も辞任という選択肢はないのでしょう。 現犬飼会長も英断を下せる程の責任感も力量もないですからね。 岡田監督続投の理由も、「残り4カ月で監督交代をするのはリスクが大きい」という消極的理由からですが、これは自分がサッカーの事をまったく分かってないと言っているようなものです。 方程式を解くための公式を教えないで、なぜ担当クラスのテストの点数が悪いのが分かっていない数学教師と同じです。 岡田監督が今のやり方を続ける以上、残り4カ月であっても監督を交代した方が確実に強くなります。 さすがにベスト4やオランダ代表より強くすることは不可能であっても、公式を教えて(実際は選手に使うことを許可して)やれば、短期間で基本問題は解けるようになり今の日本代表よりいいサッカーをするようになるでしょう。 そこから後の応用問題については時間との戦いになります。 岡田監督続投はハイリスクローリターン、監督交代はハイリスクハイリターン、どちらもリスクが高いことに違いはないと思うのですが。 前会長の選んだ監督を交代した場合の自分の立場、新監督を任命して失敗した場合の会長としての責任を考えるとリスクが高いということなんでしょうか。 ただ、ここで続投を決断した以上はW杯で惨敗した場合は、犬飼会長も責任をとってやめるべきだと思います。 そもそも馬鹿の1つ覚えの秋開催をわめく以外、とりたてて何もやってないですからね。
日本サッカー協会がこんな状態ですから、試合のことを詳しく書いてもこの先どうなるものでもないですからね。 攻撃と守備について1つずつ気になるところを書いておこうと思います。 得点シーンに見る攻撃の問題点 岡田監督が目指す日本らしいサッカーで得点を取れていないですね。 本来ならPKでの得点も流れの中からの得点と言えなくもないですが、韓国戦でのPKはセットプレイで闘莉王が倒されたものでした。 その最大の得点源が早々に退場してしまいましたね…。 香港戦も相手のミスとセットプレイからでしたし、実際これまでもまともな対戦相手には流れの中から得点が取れないというのは由々しき問題ですよ。 そのことに岡田監督をはじめポジティブな意見(実際は意見と言えるレベルではなく願望や妄想)を言う人は、「チャンスは作れている、あとはフィニッシュのところ」なんて言います。 北京五輪の反町ジャパンもアジア予選からセットプレイでしか得点できずにいました。 その結果本大会ではそのセットプレイからも得点できずに、相手ゴールキーパーのプレゼントボールからの1点だけでしたからね。 北京五輪前も今回とまったく同じ問題点が指摘され、それに対してまったく同じポジティブな妄想意見が言われてたんですよ。 そして何の打開策もなく大会に臨んであの結果になったわけです。 日本代表ではDFをつけない状態で4人1組でダイレクトパスを繋いでシュートという練習をやってますが、その練習で選手がゴールを決められなかったらチャンスは作れている、あとはフィニッシュのところなんて言います? オシムが言っていたように、練習でできないことが試合でできるわけないです。 それと同様にアジア相手に流れの中から得点できないんですから、W杯の対戦相手にできるわけないんです。 岡田監督はこれまでのやり方を変えないと言ってますから、劇的によくなるということはないでしょうね。 香港の監督が、「韓国はボールを持ったらすぐシュート、日本はビルドアップというイメージがある」と言ってましたが、韓国戦の勝敗を分けたのはまさにそこだと思います。 今の韓国が決して強いとは思いませんが、結局シュートとビルドアップの意識の差が2点目をとれたかどうかの違いとして明らかに出てますよね。
失点シーンに見る守備の問題点 こーめいが以前気になっているところがあると書いた守備の問題点についてですが、予想通り韓国戦で如実に表れたので失点シーンから見てみたいと思います。 端的に言えばボランチの組み合わせ、守備能力の問題です。 1失点目、2失点目のシーンがそうですが、前からボールを奪いに行くことをコンセプトとしており、そういったタイプの選手をボランチに置いているのでそこをかわされるとバイタルエリアでフリーでボールを持たれるということがあります。 観戦慣れしてない人は1失点目などPKのシーンばかりに目が行くでしょうが、ボランチ2人がボールを奪いに前に行ってパスで簡単にかわされているので、バイタルエリアで韓国の選手にシュートもドリブルもパスもある状態でボールを持たれてしまいました。 こうなるとDFラインとしては後手に回らざるを得ず、対応がすごく難しくなります。 これは遠藤と長谷部が組んでいる試合でも見られ、長谷部がボールを奪いに行ってかわされた後にピンチになることが多くありました。 これまでアジアのレベルの対戦では相手が自滅ミスをしてくれていたので、目立っていなかっただけです。 3失点目については10人になっており、全体的に選手の意識が攻撃にいっていたこと、そして中澤と岩政が初コンビだったことを考えないといけないですが、ここにもこれまでこーめいが気になっていた問題が出ていました。 岡田ジャパンではサイドバックも高い位置を取らなければいけませんから、その裏を狙われるのは仕方がないことです。 ましてやあれだけ中盤や前線でボールが収まらずパスミス連発、しかも攻撃がシュートで終わってないのですから、むしろそこを狙ってくれと言っているようなものです。 攻撃的に行っている以上裏を狙われるのは仕方ないのですが、要はチームとしてそこをどうカバーするかということなんですよね。 前回の東アジア選手権では鈴木啓太がカバーリングに入っていたのですが召集されなくなってからは内田篤人の裏は中澤がケアしています。 それはそれでいいのですが、これもアジアのレベルの対戦では中澤が競り負けることはなかったのですが、アフリカ勢にはそうはいきませんでした。 その時にボランチが中央をカバーできてないんですよね。 これらの問題は遠藤と長谷部にしろ小笠原や稲本らを組み合わせても同様に発生することです。 明神や今野という危機察知能力が高く、カバーリングに長けた選手を起用するべきだと思います。 ボール奪取能力ということでボールホルダーにプレスに行って奪うという部分がやたら注目されてますが、危険なエリアをカバーしてインターセプトするのも立派なボール奪取能力ですからね。 中国や香港相手に攻撃的な選手を2枚並べるのはいいです(にも関わらず得点が取れないのは問題です)が、W杯の対戦相手には明神や今野らの力が必要になると思います。 しかし、今後も明神は召集されそうもないですし、今野はやっとボランチで起用された試合が何故か攻撃力に欠ける香港戦でした。 他の3人よりは気が利いた守備のできる稲本の今後の攻守の意識のバランス、状況判断のさらなる向上に期待ですかね。
最後に選手に言いたいのは、本当に岡田監督でいい結果を残せる、悔いなくW杯を終えられると思っているのかということです。 ドイツW杯や北京五輪のように大会が終わった後で、実はあーだった、こーだったというのだけは止めてほしいです。 やたら岡田監督は「enjoy」という単語を使ってますが、日本代表の試合を見ていても選手たちが楽しそうにサッカーをやっているようには見えないんですよね。 選手たちが楽しそうでないから、当然サポーターも観ていて楽しくないわけです。 運動量を必要とするサッカーなのに10人になった韓国戦でも選手交代が遅く、試合後のインタビューでは「収穫はいろいろな選手を試せたこと」などとのたまわってます。 試せたと言えるのはせいぜいコンスタントにそれなりの時間を与えられた平山と小笠原くらいでしょう。 しかも試せたというだけで、これまでの前田や本田同様に戦力として岡田ジャパンで使える目処はたってないわけですからね。 さらにはまだW杯ベスト4が目標だと言ってますが、東アジア選手権では優勝が目標だったにも関わらず3位でした。 完全に巨大迷路に入って出口が見つからずにさまよっています。 結局プレイするのは選手たちですから、本当に選手たちが岡田監督ならベスト4とは言わずともW杯でいいサッカーができると思ってるならこーめいはいいんですけどね。 それならそう期待させる楽しいサッカーを見せてほしいです。 しかし、こーめいには選手たちが岡田監督のサッカーに疑問を感じながら窮屈そうにプレイしているように見えます。 そうだったとしても、普通に考えて選手たちはW杯に行きたいですから監督を批判することは大会前にはできないでしょう。 韓国戦後も中澤も「自分たちの力不足」と選手たちの責任である発言をしていました。 一方で岡田監督は「選手たちは精いっぱいやってくれた」とコメントしています。 いつもこんなあいまいな感じで問題点をはっきりしないまま進んで、結局ドイツW杯や北京五輪のように選手たちは最大限の能力を発揮できないまま不完全燃焼。 今回も参加賞をもらいにいくのがオチです。 それでも参加賞が日本サッカーの将来のための糧になればいいですが、大会後にあーだこーだ問題だったことについて指摘しても今の日本サッカー協会ではそれも叶いませんよ。 選手には勇気を出して今の停滞感を壊してほしいですね。
日本代表の運命は決まったようなものですから、23日からはACLも始まりますしこーめいもJリーグモードに突入しようと思います。
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岡田監督の呪縛に苦しむ選手たち…の香港戦 |
中国戦後に遠藤が、「意外性のあるプレイをしないと、相手もなかなか崩せない。言われたことを言われたとおりにやるっていう日本人の悪い癖が出てしまったと思う」と言っていたので、くさびやタメ、ドリブルでの仕掛けやサイドチェンジなどもっと選手たちの自主性が出る試合になるかと思いましたが、コメントをした当の遠藤以外は岡田監督の呪縛にがんじがらめの内容でした。 予想通りボールは圧倒的に保持するのですが、ベネズエラ、中国戦と変わらない攻撃の停滞感が続きましたね。 セットプレイからの闘莉王のヘッドで得点は取れるだろうとは思っていましたが、先取点は前半終了間際、香港DFの痛恨のミスから玉田でした。 追加点が闘莉王の頭からでしたね。 どちらもコーナーキックからで闘莉王が直接決めたものと、闘莉王の頭から混戦になって玉田が押し込んだゴールでした。 いずれにせよ、岡田監督の言う日本らしいサッカーからは得点が生まれませんでした。 この日本らしいサッカーというのは、北京五輪のときに反町監督も再三言ってましたね。 しかし、ついぞその日本らしいサッカーはお目見えすることなく3連敗で幕を閉じてしまいました。 岡田監督の言う日本らしいサッカーというのは、以前からコンセプトとして挙げられていた選手間の距離を短くして、ワンタッチ、ツータッチのパスをテンポよく連続して繋いで相手のDFに穴を作り、そこを突くというものなんでしょう。 実際に練習もワンタッチ限定のメニューをよくやってますからね。 前回、パスにメッセージ、気持ちがこもってないことが問題だと書きましたが、その原因が選手たちがこのコンセプトにがんじがらめになっているからです。 香港戦(ベネズエラ、中国戦もですが)を観て、パスミスが多い、リズムが同じという印象を持った人が多いと思います。 それを岡田監督もはじめ、コンディションがまだよくないからと考えてる人が多いようですが、実はツータッチ制限でプレイしているからです。 本当に監督からツータッチ制限の命令が出ていたかは知りませんが、フィールドプレイヤー全員がトラップ(ワンタッチ目)でボールを止めて、パス(ツータッチ目)でボールを出すという単純作業を繰り返していました。 いちいち計算してないですが香港戦なんてツータッチだけでも7割くらい、3タッチ以上したプレイなんて1割に満たないんじゃないですかね。 後ろの選手ですら、スペースにボールを運ぶってことをまったくしてないんです。 だからトラップした場所の近くに選手がいなければパスの出しどころを探すことになりますし、選手間の距離、ポジショニングが悪いのに強引に出そうとして本来パスのうまい小笠原や中村、遠藤らにもミスが多発していました。 パスを出すタイミングが完全に出し手主導なので、受け手と出し手の意識があってない場面も多くみられましたね。 こんな選手も戸惑ってパスを出している状況ですから、パスにメッセージや気持ちがこもってないのも当たり前です。 サイドチェンジなどの長いボールも通常はスペースにドリブルもしくはボールをこねてコントロールして出すわけで、全部ダイレクトやツータッチで出すのは不可能ですからこれが大きな展開がない原因ですね。 ミドルシュートも同様ですし、数少ないカウンターのチャンスもドリブルではなく、ショートパスの連続でボールを運ぼうとするので相手ゴール前に素早くボールを持っていくこともできません。 唯一前半5分にカウンターがいいところまで形となりましたが、これは遠藤がドリブルでボールを運んでいるからです。 くさびのボールにしてももともとポストプレイが得意ではないFWばかりの上、それもダイレクトやツータッチではたこうとしていたので、全然繋がらないですし当然タメもできず高い位置で起点にはなりませんでした。 パスが繋がる場面もトラップ、パス、トラップ、パスの連続なのですごくワンパターンで相手も守りやすいんですよね。 これがパスミスが多かったことと、リズムが同じという現象を生んだわけです。 分厚い攻めをするなら後半はじめに闘莉王が左サイドのペナルティエリア角でフェイントでドリブルを仕掛ける意識を見せ、そのタメを利用して外を駒野がオーバーラップするというシーンを増やすべきだと思うのですが、岡田ジャパンはワンタッチ、ツータッチでショートパスを繋いでっていう意識ばかりでタメっていう概念がないんですよね。 しかもこの香港戦では特にツータッチという意識が顕著でしたね。 タメというのは一種のスイッチで、それを合図に周りの選手が効果的な動きをできるわけです。 それがないということはパスの受け手がパスを受け取る瞬間、もしくはトラップした瞬間には周りの選手がパスをもらえる距離とポジションを取っておかないと繋がらないわけで、しかもこれを少なくとも3人は連動してやらないといけないわけで攻撃の基本に据えるのは不可能ですよ。 アーセナルやバルセロナだって華麗なパスワークで相手を崩しますが、必ずその流れの中には体を張ってボールをキープする、スペースにボールを運ぶ、ドリブルで仕掛けるなどして時間を作って、その間に周りの選手が動いてるわけです。 アデバヨールが抜けてケガをする前まで4-3-3のCFを務めていたファン・ペルシーがどれだけ体を張ってペナルティエリア内でボールをキープして時間を作っていたか。 ワンタッチ、ツータッチでボールを繋いでっていうシーンは高い技術と本当に選手たちのインスピレーションがシンクロしたときに生まれるもので、今の日本代表はそれを常時しようとしてるんですよね。 90分ハイプレス同様に現実的なものではないと思いますが…。 選手感の距離をもっと縮めればまだ繋がりやすくはなりますが、その割にはDFラインと前線をコンパクトに保つっていうことに岡田監督は気を遣ってないのが不思議です。 「稲本が入って遠藤が前に行ってからいい攻撃ができるようになった」と言ってるのも見当はずれだと思います。 後半に小笠原がボランチに入ってパスを散らす負担が減った遠藤が、香港選手の動きが落ちたのも手伝ってドリブルでボールを前に運ぶようになりました。 それで前線との距離が縮んで、FWに当てたボールをダイレクトで中盤の選手が前を向いたまま受け取れるようになったから攻撃にリズムが出始めたわけです。 だから厳密に言えば平山が入ったことも日本の攻撃がよくなった直接の原因ではないわけです。 つまり、ツータッチ制限を辞めてボールを運ぶことで選手間の距離を縮めたことによって攻撃のリズムに変化が出てきたのです。 その後は闘莉王や途中から入った香川もドリブルしてましたし、高い位置でダイレクトプレイの連続でサイドから崩して平山が惜しいシーンまで行きました。 日本の攻撃のパターンが変わり、香港選手も疲労が出ていたので対処に後手を踏むようになっていましたね。 平山に関して言えば、ポストプレイがすごくうまいってわけではないですし、中国戦ではDFのプレッシャーに簡単にころころ転ばされて、香港戦もシュートまでは行けず潰されていました。 これではこの先多くを期待するのは厳しいかなと思います。 それと思い出してほしいのはこれまでもダイレクトプレイで細かいパスを繋いでゴール前に迫るシーンはありましたが、得点には全く繋がってないんですよね。 香港相手なので平山がシュート直前まで行きましたが、中国やベネズエラ相手では途中でカットされたりミスが出たりでシュートまでも持っていけなかったわけですから。 昨年まではここまで極端ではなかったと思うのですが、ツータッチ制限のようなサッカーには岡田監督のどんな意図があるのでしょうかね。 いくつか理由を考えてみたのですが、「韓国戦もやることは一緒です」というコメントからもやはりワンタッチ、ツータッチパスの連続で極力フィジカルコンタクトを無くして攻めるというのが岡田監督の目指す日本らしいサッカーなのでしょう。 小笠原、遠藤、中村、FWにしては足下がうまくパスも出せる玉田や大久保を好んで起用する理由もそこにあるんでしょうね。 こう考えると平山やドリブルが得意な金崎や香川をスタメンで使わないのも分かる気がします。 ただ、このサッカーで小笠原が必要なのかというとはなはだ疑問です。 小笠原はW中村や遠藤よりもフィジカルコンタクトを厭わない選手ですからね。 その特徴を必要としないサッカーなら小笠原も必要ないと思います。 小笠原のコメントからも分かるように明らかに今の日本代表に足りないプレイを分かっていながら、遠慮してコンセプトを忠実にこなすようにしてますし、窮屈な思いしてるんじゃないでしょうか。 もし岡田監督が本気でこのサッカーで勝とうと思っているなら、今からでも監督を代えた方が確実に日本代表は強くなりますよ。 確かにその日本らしいサッカーで、日本代表は体力と運動量がある前半20分あたりまではチャンスを作ることもあります。 ですが、すでに書いたように得点までは至っていません。 それに運動量と体力が落ちると当然プレイの精度も落ちてきます。 これも当然ですが、それはダイレクトやツータッチのプレイに顕著な影響を及ぼします。 しかも、前述したようにリズムも攻撃もワンパターンなので相手も守り慣れてしまうんですよね。 もっとコンパクトにすることと、タメを作る攻撃を基本に今のワンタッチ、ツータッチの攻撃を織り交ぜていけばかなり効果があると思うんですけどね。 いやはや、韓国戦はどうなることか。 とは言え、こーめいは岡田監督消極的支持派ですから、きっと韓国戦では小気味いいパス回しから大量得点で勝って優勝してくれるのだろうと楽しみにしてますよ。 中国に敗北した韓国も横パスばかりで縦への仕掛けは単発のロングボールかドリブルでの仕掛けくらいだそうで、日本と現状は似てるのかもしれません。 意外といい勝負になるかもしれませんね。
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【東アジア選手権】おもしろいほどつまらない…の中国戦 |
岡田監督はこの大会でこれまで出場機会の少なかった選手を起用するようなことを言っていましたが、前回の記事で書いたように選手を試すということがとことん下手ですね。 フォーメーションはこれまでの4-2-3-1を強引に3トップにするような形でした。 海外組の中村俊輔と長谷部はいませんが、結局連携面も含めて現時点で岡田監督の考えるベストメンバーで中国戦に臨んだと言うことですよね。 その意図が何にせよベストメンバーで戦った以上、勝利は絶対条件だったと思うのですが、試合後のインタビューで楢崎がPK阻止のことを聞かれて、「負け試合を引き分けにしただけ」と吐き捨てるように言っていたように負け試合でした。 その楢崎こそ歓声で迎えられましたが、岡崎のインタビュー時は大ブーイングでしたね。 ハーフタイムも試合後もブーイングの嵐でしたが、あの試合内容では当然だと思います。 シュートは13本ありましたが、見せ場と言えるものは、篤人のポスト直撃と大久保のボレーくらいで、一番の見せ場は楢崎のPK阻止でしたから。 相変わらずボールは繋げますがそれがゴールまで結びつきませんし、中国より実力が上であろうベネズエラ戦よりもチャンスは多かった印象ですが持病である決定力不足が…。 そもそも高い位置で起点が作れてないんですよね。 こーめいなら15分に平山と小笠原(ボランチ)を投入していました。 小笠原は疲れがあり、試合の流れを変える程の選手がベンチにいないという信じられない理由から選手交代を躊躇っていたそうですが、平山を入れてからしばらく中盤でボールを奪われることが多く、前線までボールがいかない時間帯が続きましたからね。 小笠原ならああいう試合の流れだと自分でミドルを積極的に狙って行きますし、篤人のサイドももっと上手く使えたでしょう。 小笠原に疲れがあると言っても相手は60分戦っているわけですし、日本のリズムがよくなかった時間帯なので何もしないよりはずっとよかったと思います。 そもそも大会前に結果にこだわっていくと言ってましたしベストメンバーで挑んだわけですから、勝つために動こうとしなかったのは考えられない選択です。 岡田監督の選手起用と選手交替の遅さ、そして試合後のコメントから考えるとベストメンバーで臨んで得点が取れないならサジを投げるしかないという意味にとれますね。 あのタイミングで中盤にテコ入れしていればPKを取られるようなシチュエーションにまではもっていかれなかったと思いますし、逆に言えば岡田監督が試合の流れを読めずあそこで動かなかったからリズムが悪くなってPKを取られるに至ったと言えます。 こーめいがインタビュアーなら、岡田監督に「2、3枚目のカードを切るのが遅かったですが、勝つ気はあったのですか?」と聞いてましたね。 確かに始動したばかりで難しい時期だというのはあります。 日本の選手は動きがまだ鈍いのに、中国は欧州と同じ秋開催で今はシーズン真っ直中だから選手たちの動きはキレキレでしたからね(笑) なーんてことはないわけで言い訳にもなりませんね。 アメリカもこれまで一度も負けたことのないホンジュラスに1-3で敗北しました。 日本と同じようにシーズン前で欧州勢はいませんし、前半17分に退場者が出たとはいえ、監督もまだ選手のコンディションが悪かったことを敗因に挙げています。 しかし、アメリカはコンフェデで強豪相手に渡り合った明確な戦い方というのをすでに見せてるんですよね。 だから現時点でコンディションが悪い事を理由にしても、選手の動きがよくなればコンフェデ時のサッカーができるという見込みがあります。 日本はコンディションが上がってもせいぜいオランダ戦の戦い方が精一杯でしょう。 シーズン前という『時期』を言い訳にするのが、いかにナンセンスかというのがよく分かるでしょう。 その見込みがないからこそ、あのブーイングに結びついてるのです。 それに対して岡田監督は、「もちろん真摯に受け止めないといけないと思っていますが、われわれは今、勝つため、あるいは強いチームを作るためにベストを尽くしています」と答えています。 これって南米予選やコンフェデで結果を出しても守備的だとブーイングされているブラジル代表監督ドゥンガのコメントですよね? それならしっくり来るのですが( ̄曲 ̄)
問題点が多すぎて全部挙げるのも面倒なので、根本的な2つのものだけ触れておきます。 ①ビルドアップとオーバーラップ まずビルドアップに関してですが、DFラインとボランチという低い位置で回しているときはほぼ右サイドの篤人から縦パスが入ってるんですよね。 これができるかどうかが長友と徳永との大きな違いです。 鹿島でも新井場が縦パスを入れるのが苦手だったので、篤人が入団した06シーズンはほとんど右サイドからビルドアップしてました。 08シーズンからは新井場もだいぶビルドアップと守備で成長を見せ、両サイドから縦パスを入れられるようになりましたが。 本来ならボランチの遠藤がもっと体を張ってキープして縦に入れるボールを出せないといけないのですが、天皇杯決勝まで戦った影響かコンディションが悪いです。 CBの闘莉王はいいフィードを持っているのですが、前にいる遠藤に入れてもそこから前に行きませんでしたし、玉田、岡崎、大久保の前線では中盤を飛び越える長いボールを入れても効果は薄いです。 というわけで右サイドからビルドアップすることが多かったのですが、篤人は攻撃ではビルドアップとオーバーラップという2つの仕事をしているわけです。 しかし、そこに出るボールの質が悪いことこの上ないです。 篤人にビルドアップを期待するなら足下へのパスでもいいですが、オーバーラップを促すなら走ってる前のスペースに出さなければなりません。 前にスペースがあるにも関わらず、オーバーラップしている篤人のスピードを殺す足下へ出すパスばかりでした。 後半になってようやく2つ程スペースに出るパスがありましたが、そのうちの1つが稲本からのパスでポスト直撃のシュートが生まれたあのシーンです。 DFはとにかくスピードに乗ってプレイされるの嫌なわけですが、篤人自身も前にスペースがあるにも関わらずボールを止めてビルドアップを選択していたシーンもありました。 チーム全体の意識としてビルドアップとオーバーラップを使い分ける判断ができてないんですよね。 パスを出す方がもっと意識してサイドバックを上手く使うべきですし、篤人も自分がほしいボールでなかったら要求しないといけません。 選手個々の状況判断で使い分けられればいいのですが、それが難しいなら、例えば篤人がハーフラインを越えた位置にいるときは前にスペースがあればそこに出すなど、決まり事を設けて意識を統一するべきですね。 それに加えて3トップにも関わらず、サイドの高いポジションでボールをキープしてそれをサイドバックが追い越すという連携も少なかったですし、とてもスムーズとは言えませんでした。 スピードに乗ったプレイを意識すれば、ポスト直撃のシュートシーンのようなチャンスがもっと生まれますし、試合もスピーディでエキサイティングになるはずです。 このビルドアップとオーバーラップの使い分けができてないことがどうして岡田ジャパンの根本的な問題かと言うと、パスにメッセージがない、気持ちがこもってないということを意味するからです。 単に篤人がフリーだから、中央からビルドアップできないからそこに出しているというパスなんですよね。 これは日本代表のパス(だけでなくシュートにも)全体的に言える事で、メッセージがなく、気持ちがこもってないからポゼッションは高くボールを繋げても、チャンスを作ることができていないのです。 岡田監督は、「あとは最後のところだけ」とあくまでポジティプでしたが、ベネズエラ戦や中国戦の日本の攻撃がよかったと思える人は、中田英や名波がいた頃のサッカーを観たことない人なんでしょうね。 ②佐藤寿人の使い方 PKをとられたところで佐藤を投入しようと準備していたのですが、楢崎が止めたので投入を思いとどまったという事実からも分かるように、岡田監督は佐藤を日本が得点を取りに行きたい時のスーパーサブとして考えてるようですが、使い方を間違ってます。 佐藤がもっとも力を出せるのはDFラインの裏にスペースがあるときです。 これがなかなか佐藤が日本代表に定着しきれない不運だと思います。 こーめいも佐藤の得点能力は高いと思いますし好きな選手なのですが、日本代表はアジア勢、コンディションの悪い相手と戦う親善試合など引いて守られる試合が多いんですよね。 そういう状況で、しかも短い時間で得点という結果を出せるなら6年連続二桁得点をあげているこのFWが、これまでも日本代表FWの主軸になってないわけがないんです。 日本が得点を取りに行きたい時=相手が引いて守っている時なわけで、ゴール前にスペースがない状態で佐藤を投入しても厳しいでしょう。 確かに佐藤は清水の岡崎同様、広島でサイドからのセンタリングにうまく合わせて得点も取る能力もありますが、力強さとスピード、身長(岡崎:173、佐藤:170)で岡崎より優れているわけでもないですし、その岡崎だって日本代表で得点しているのはほとんどゴール前にスペースがある試合ですからね。 日本がリードして相手が攻め込んでいるときに佐藤を使ってDFラインの裏を狙わせれば1本通ればビッグチャンスになりますし、オフサイドになってもまったく日本にリスクはないですから、途中出場で使うならそういう状況でになると思いますが。 この佐藤寿人の使い方を間違っていることが、どうして岡田ジャパンの根本的な問題かと言うと、選手の特性の把握と使い分け、組合わせ方を岡田監督がまったくできてないことを意味するからです。 今までは必須科目でこれからは応用問題ということですが、監督自身が必須科目で単位落としちゃってますよ…。
日本サッカー協会がスペインと提携したと報道がありましたね。 北京五輪の反町監督、岡田監督もスペイン代表から多く影響を受けています。 そのスペインになぞらえて現在の岡田ジャパンを最大級の賛辞をもって称するなら、「楢崎と10人のマルコス・セナがいるチーム」と言えるでしょう。 五輪代表合宿メンバー×ナビスコ杯清水戦×EURO08の3本立てで書いたように、攻撃的なスペイン代表にあって守備、繋ぎ、素早い攻守の切り替え、そして時折見せるゴール前での決定的なシュート(ゴールはならず)でEURO08優勝に貢献した選手です。 日本代表の選手は誰一人マルコス・セナの域まで達してないと思いますが、あくまで最大級の賛辞ですからね。 でも、マルコス・セナがスペイン代表で担っていた仕事はまさに岡田ジャパンのフィールドプレイヤー全員が見せているプレイですよね。 オシムがロナウジーニョが10人いてもサッカーは勝てないと言っていたように、マルコス・セナが10人いてもやはり勝てないのです。
とは言え、ベネズエラ戦よりつまらないことはなかったですし、これからどんどんいいサッカーをしてガンガン得点をしてくれる…のかな…? こーめとしては篤人の久しぶりに元気いいプレイを見られてよかったです。 ガム効果はかなりあるようですね。 コンディションはまだまだでしょうが、嘔吐に苦しんでいたときに比べると動きが全然違いましたから。 悪女と別れられたわけですから、今年はさらなるレベルアップを期待したいです。 インテルのマイコンのプレイをしっかり見てほしいですね。 オーバーラップのタイミングはまさに神業、センタリングの種類の多さ、精度、状況判断などすごく参考になると思います。
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今年で一番つまらない試合…であってほしいベネズエラ戦 |
気付けば前回の更新から1ヶ月以上が経っていました(^^;) 鹿島のことはこれから開幕までに書いていくとして、今回は日本代表の初戦となったベネズエラ戦です。
W杯イヤーの初戦、そして小笠原の復帰試合ということもあって、久しぶりに日本代表の試合をしっかり観ました。 これまでの岡田ジャパンの試合も中継のなかった香港、イエメン戦以外は観ていたのですが、おもしろくないので途中から本を読んだり、パソコンで作業したり、そしていよいよつまらない試合は眠ってしまったりしていましたから。 しっかり観た結果、つまらない試合だったという感想です。 一言で言ってしまえばコンディション、試合勘、コンセプトを取り戻す試合。 それだけだったと思います。 唯一ポジティブと言える部分は小笠原という新戦力を試せたというところでしょう。 前日に予想スタメンが出てからすでに言われてましたし、こーめいもこういう試合になるとは思っていましたが、やはり中盤にパサーが多く、チームとしてのバランスを著しく欠いていましたね。 オシムジャパンのアジア杯でも同じようなメンバー構成で戦い、同じような試合をしていました。 オシム自身が「各駅停車」と表現した足下ばかりへのパス回し、パス回し、パス回し…の試合で仕掛けるプレイというものがありませんでした。 オシムはそこからリスクを犯す動きというものを加えて仕掛けの部分を作っていこうとしていたのですが、岡田監督は今さらアジア杯時のサッカーをするということに何か意図があるのでしょうか? おそらくないと思いますが、この試合では2トップの岡崎と大久保もそれほど違ったタイプでもないのでそこでもキャラかぶりが生じていましたね。 岡田監督はもう2トップをしないのかと思っていましたが、玉田がケガだったとは言え、場合によっては2トップをする気があるのなら、前田を召集すべきだと思います。 攻撃というのはゴールから逆算して考えるべきで、北京五輪の反町監督もそうでしたが、漠然とサイドから攻撃したい、高い位置でボールを取って素早い攻めをしたいという考えがあるだけなんですよね。 サイドから得点を狙うなら、そのサイド攻撃がゴールに結びつくようなFW(+ペナルティエリアに飛び込めるMF)をチョイスしなければなりません。 それを考えると軸となる優れたFWがいない日本は1トップという選択肢はまず消えますし、ゴール前で高さと強さを発揮できる選手は必須です。 平山をスタメンで使うのを嫌うなら前田と岡崎を組ませる方が、大久保と岡崎よりサイド攻撃が生きることは確かです。 高い位置でボールを奪って素早い攻撃をするにしても、前にまずボールを当てられる選手、タメを作れる選手というのは必要ですから。 外国の選手にパワーや高さでは勝てないから小兵軍団ということなのでしょうが、岡崎の飛び込みだって前田や平山のようなCFタイプのおとりがいるかいないかで威力も変わって来ますからね。 それと前から思ってたのですが、異常なまでの運動量を選手に要求する割には柏木、水本を召集しないのは疑問です。 水本は移籍後のパフォーマンスを考えると召集しないのは分かりますが、柏木はものすごく運動量が多く、試合終盤でも走れる選手です。 そしてベネズエラ戦で不足していたボールを引き出す動き、ボールを持てば周りをうまく使うプレイもできるので重宝すると思いますけどね。 それから日本戦のために1週間前から調整していたとは言え、1,5軍のベネズエラ相手に今更楢崎、中澤と闘莉王のCBを試す必要があったのかも疑問です。 西川、川島、岩政のうち1人くらいは試してよかったと思います。 2トップの相性、中盤の構成を考えると平山も最初から、そしてドリブルでの仕掛けが期待できる金崎か香川(柏木が召集されない中での1番のおすすめの石川はアップ中に筋肉に違和感があったようで残念)も使ってもよかったと思います。 岡田監督は東アジア選手権で一応試していくみたいですけどね。 ただ、岡田監督は選手の試し方が下手で3番手のCBも候補は一応岩政になってるみたいですが、本田や前田同様にまだ戦力に組み込めてないです。 東アジア選手権の中国、香港戦をうまく使ってくれればいいのですが…。 以前にも書いたように、現在の日本代表はパスを繋いで得点をすることはできても、相手の守備を崩して得点することはできないですね。 つまり、南アフリカ、ベネズエラクラスにしっかり守られると崩せないので得点できないということです。 日本の選手は始動直後で確かに動きは鈍かったですが、W杯でベスト4になるような国はコンディションが悪くてもベネズエラクラス相手なら一瞬の隙をつく、もしくは一瞬の個人での仕掛けから1点をもぎとり、勝ちきるということは当たり前にやりますからね。 とりあえずすぐに東アジア選手権があるので、特に韓国戦でどんな試合をするのか、岡田監督の采配に注目したいと思います。 というのもこーめいは攻撃だけでなく守備でも気になっているところがあるわけです。 南アフリカ、ベネズエラ戦がそうであったように、東アジア選手権で対戦する香港と中国相手にもそう日本が守勢に回るということもないでしょうから、(海外組がいないので選手の組合わせに違いがありますが)韓国戦でこーめいが懸念する守備の課題も浮き彫りになるのではないかと思います。 このベネズエラ戦が今年一番つまらない試合だったと思えるようなW杯イヤーになってほしいところです。
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