【J1第30節】DFラインと決定力が貧弱、貧弱ぅ~…の清水戦 |
【結果】 10月27日(土) 2012 J1リーグ戦 第30節 鹿島1-2清水(17:04/カシマ/14,125人) [得点者] 07' 金賢聖(清水) 43' 岩政大樹③(鹿島)←小笠原満男③ 44' 大前元紀(清水) [フォーメーション] FW:大迫 MF:ドゥトラ、本山、遠藤 MF:柴崎、小笠原 DF:イバ、青木、岩政、西 GK:曽ケ端 [選手交代] HT:本山→本田 61分:西→興梠 80分:ドゥトラ→ジュニーニョ
【試合の感想】 やっぱりDFラインと決定力 清水は杉山をアンカーに置く4-1-2-3の布陣。 鹿島は4-2-3-1もレナトはケガでベンチにも入っておらず、まだ大迫システムになってから間が無くできるならメンバーを固定して戦いたいのですがなかなかそうもいかないですね。 ただ、苦しい中で本山のトップ下は悪くない選択でした。 しかし、ぶっつけということで立ち上がりリズムが出ないうちに清水に攻勢を仕掛けられて先制点を許してしまいます。 7分に平岡のフィードからDFラインの裏を取った吉田へ。 青木のカバーリングも間に合わずダイレクトで折り返されると中央のキムがシュートブロックに入った岩政もかわして左足でシュートをたたき込みます。 清水はかなりサイドバックが高い位置を取るのでそこをどう守るかが徹底されていないですよね。 大前には新井場がついており、オーバーラップしていた吉田にはドゥトラが下がって付いて行ってはいたのですが完全にフリーにしてしまっていました。 選択肢は3つあると思います。 サイドバックについてサイドハーフが下がるのか、逆に下がらずに清水のCBにプレスをかけてボールの出しどころを封じるのか、ボランチとサイドバックの連携で守るのか。 こーめいはサイドハーフをあまり下げ過ぎても後手になるだけなので、前からプレスをかけてボールの出しどころを封じ、なおかつ右サイドなら大前と吉田のマークはボランチとサイドバックで受け渡すようにすべきだと思いますね。 基本的に3トップに対しては4バックで見ることになるので、中盤の人数は5対3で鹿島が優位です。 清水のサイドバックが上がって来ても5対4の状況ですから、ボランチが流れてサイドバックをケアする余裕はあるわけです。 ここの守り方を徹底しないとナビスコ杯でも同じようにやられてしまうでしょう。 失点した鹿島は遠藤が下がってボールをもらいリズムを作って攻めに出ます。 13分には大迫のポストプレイから逆サイドに展開して遠藤がこの試合鹿島初シュートを打ちます。 しかし、西のオーバーラップのタイミングがもっと早ければ攻め手も増えてチャンスを作りやすかったですね。 さらに15分にも左サイドで大迫がキープすると中央へパス、上がった柴崎が鋭いミドルシュートを打ちます。 それで得たCKから青木のシュートとチャンスを作って行きます。 21分には遠藤の落としを西が前を向いて受けてからスルーパス、大迫が決定機を迎えるのですがループは林の正面に行ってしまいます。 先制したことで清水が守備的になったこともあって鹿島がポゼッションして攻めますが、やはりぶっつけだけあってレナトに比べて本山のポジショニングが遠すぎますね。 レナトは大迫-遠藤、大迫-ドゥトラ、遠藤-柴崎、遠藤-西などのコンビでパスを回している時に必ず3人目として参加しているのですが、本山はそこから離れていくことが多かったです。 このため今ひとつ攻撃のリズムが出来らなかったのですが、33分の決定機では上手くからめていました。 大迫のポストプレイの落としを遠藤が受けた時に近いポジションをとって遠藤の縦パスを受けるとすぐにリターン、遠藤が1人かわして大迫にスルーパスを出します。 しかし、少しトラップが足元に入ったこともあって左にはずしてしまいましたね。 少しずつ清水ゴールに近づく鹿島は遠藤がファウルをもらうと、小笠原のFKから岩政が競り合い浮いたボールを西がヘッドで中へ折り返すも味方に合いません。 38分には遠藤のドリブルから左サイドの本山へ、タイミングよくオーバーラップした新井場がセンタリング、逆サイドの大迫が落としたボールを柴崎がシュート。 徐々にゴールの匂いがして来ますが、逆に新井場の緩慢なプレイからボールを奪われると一気にカウンター、本山が足を滑らせると大前にゴール前まで迫られますがシュートは曽ケ端が防ぎます。 ピンチの後にチャンスあり、小笠原のCKから岩政が足で合わせてついにゴールをこじあけます。 前半終了間際のいい時間帯の得点だったのですが、追いつかれたことで攻勢に来る清水に再びDFラインの貧弱さが爆発して失点してしまいます。 クリアボールを繋ごうとしてこぼれ球を拾われて左サイドに出されるのですが、西の守備力の低さはやはり問題ですね。 清水は早いタイミングでクロスを入れてくると分かっているにも関わらず、キムにプレッシャーをかけずに精度の高いクロスを入れられてしまいます。 さらに中央へ絞った時のサイドバックの守備力のなさも露呈、新井場が大前にあっさり前を取られてヘディングを決められてしまいました。 DFラインと決定力の貧弱さが出た前半でしたね。
あれこれいじりすぎな後半 後半からジョルジーニョ監督は本山に代えて本田を投入して来ます。 この交代はこーめいも考えていましたし、守備を考えるとそうせざるを得ないでしょうね。 前半の失点シーンを見てもサイドの守備に問題があるのは明らかです。 守備範囲の広い本田が入ればサイドのケア、CBが釣り出された時のゴール前の守備などサイドを起点にして攻めて来る清水相手に守りやすくなりますから。 実際に中盤でのボール奪取含めてよく守備出来ていましたからね。 本田の投入で柴崎を1列上げたのですが、2列目の配置をいじったのは失敗でした。 前半はサイドの遠藤がボールを引き出してそこを起点に攻撃を作っていたのですが、トップ下に入ったことで当然プレッシャーは強くなりますし、DFラインもそこに縦パスを出せる選手がいないですからね。 49分こそ青木のフィードから新井場、フォローした大迫が中央へ折り返し遠藤のシュートと決定機を作りますが、後半は精度の低いロングボールが多くなりDFラインのもう1つの欠点であるビルドアップ能力の無さが目立ちました。 レナトと遠藤の関係の場合、遠藤は簡単にボールを預けてDFラインの裏に走って行くのですが、トップ下に入ったことで遠藤がパス出し役で柴崎が受け手に回ることになり、明らかに役割が逆ですよね。 柴崎ももっとフリーランニングしてゴール前に入らないといけないのですが、やはり前半の本山同様に練習でやっていないので連動性が悪かったですね。 この2つの理由から後半の立ち上がりはむしろ前半より攻撃が停滞、ジョルジーニョ監督も60分に西に代えて興梠を投入します。 西がイエローカードをもらっていたこともありましたが、柴崎のサイドバック起用はビルドアップ面も考えてなのかとこーめいは思ったのですけどね。 FKから逆サイドで高い位置を取っていた柴崎への展開、遠藤のスルーパスから裏に走った興梠がセンタリング、ドゥトラのヘッドという決定機を作りますが、ポストに直撃してしまいまたもや決め切れません。 投入直後こそ決定機を作りますが、この起用は裏目に出てしまいます。 柴崎がDFラインに入ってしっかり右サイドからビルドアップすればよかったのですが、最初から高い位置を取ってしまったことで、岩政と青木が余計にビルドアップで苦しむことになります。 特に青木は酷く縦パスを入れられるタイミングでキョドって、前線に高さもないのに精度の悪いロングボールばかりを入れてボールロストしていましたね。 さらに2列目の構成も攻撃の組み立てのできないドゥトラと興梠を両サイドに置いたことでどうしても厚みのある攻撃ができません。 札幌戦と違ってドゥトラではなく興梠を使っていたのでまだボールが収まっていましたが、やはり鹿島の現状では大迫と遠藤など前線2人にもう1人が攻撃の組み立てに加わらないといけないですね。 それでもスローインや遠藤のドリブルからのミドルシュート、さらに柴崎のロングパスをドゥトラが前線にパス、大迫が抜け出すなどチャンスを作りますが、これは惜しくもオフサイドとなります。 こーめいは柴崎にはもっと後ろでこういうパスを出したり、篤人のようにビルドアップしながら上がって欲しかったのですけどね。 80分にドゥトラに代えてジュニーニョを投入すると、そちらのサイドから攻撃を作り始めます。 やはりドゥトラや興梠に比べて足元の技術があるので前線の攻撃の起点とフリーランニングしてボールを受ける役割のバランスが改善されましたよね。 ジュニーニョがタメを作ってくれることで後ろの選手も上がる時間ができます。 83分にはジュニーニョのクロスに大迫が飛び込むシーンを作ります。 終盤は岩政が上がってパワープレイに出ますが、ここでも青木のビルドアップ能力の低さが目立ちました。 シンプルにサイドの新井場に出せばいいのに、モタついた挙句にロングボールを出して岩政の頭を狙います。 サイドからボールを上げて岩政の頭を狙えばもっとチャンスになるのですが、CBから入れても相手DFは前から来るボールなので守りやすいんですよね。 それでも岩政はよく競っていましたが。 ジュニーニョと遠藤の突破から左サイドを破ってクロスも中央で合わしきれません。 遠藤のクロスはDFに当たっていたので中央の大迫とジュニーニョが反応しきれなかったんですけどゴールキックにされてしまいましたね。 結局最後まで攻めるもゴールを奪えず連戦の初戦は敗戦、しかし試合内容を見るとナビスコ杯決勝の行方はどう転ぶかまったく分からないというものでした。
ここぞという時の力がない鹿島 川崎戦の時にこーめいはすでにDFラインのテコ入れと決定力の低さの問題を指摘していたのですが、現在の鹿島の弱点がモロに出た試合となりました。 もう一度現状を確認しておくとDFラインについては、CBの主力が岩政と本職でない青木、ケガ明けの中田、それに昌子と負傷中の山村となります。 サイドバックは守備力の低い新井場と西が主力、控えが鈴木、伊東とコンバート中の土居となります。 西と山村を除くと全員30歳以上か20歳以下の選手しかいません。 それに山村も大卒ルーキーですからね。 その山村がレギュラーだった頃、失点の多さを山村のせいにするサポーターが多かったですが、青木に代わってもまったく変わることはありません。 逆にビルドアップについては致命的になっていますし、特にこの試合の1失点目のCBが釣り出されて中でやられるというシーンもこれまでによく見たものでした。 それもそのはず、このメンバーを見るとチーム力自体がここ数年で確実に落ちており、この試合では鋭い縦パスも時折入れて守備でもよくはじきかえしていた岩政が及第点くらいです。 そんな状況ですから守備が安定しないのも当たり前、むしろ中央より両サイドバックの守備力のなさの方が問題ですよね。 次に攻撃ですが、今季の鹿島はサッカーダイジェストのデータによると総決定機数はここしばらくは柏に次いで2位という状況となっています。 シュート数も多く、試合を観ても昨季の相手DFラインの前で横パス、バックパスばかりのつまらないサッカーに比べて、ポストプレイやドリブルでの仕掛け、裏を狙う動きなど有効に使えるようになり確実に決定機が増えていることが分かります。 しかし、29節終了時点でシュート決定率は10.6%、これはリーグ15位となっています。 得点数が6位タイとそれ程悪くないことを考えると、昨季までの決定機数不足は解消されて決定力が乏しいことが浮き彫りになっているという状況ですね。 決定力に関してはオリヴェイラ監督がリストアップしたジュニーニョが担うはずだったのですが、決定機に絡むものの期待する肝心のゴールという結果を出せていません。 この2つの問題からここぞという試合で勝てない状況が続いてなかなか上に行けないですね。 3連覇した頃はチームの選手構成のバランスもよく、ゴールに嫌われた試合でも守備が踏ん張って、セットプレイから1点をもぎ取って勝つ、逆に1失点しても2ゴールを奪って勝つということが出来ていました。 しかし、今季は2ゴールした試合でもDFラインが耐えられずに2失点してしまっていますから。 間違ってはならないのはDFライン、決定力の問題はいずれも、ジョルジーニョ監督に責任があるわけではなく、選手育成能力が皆無で補強に失敗し続けたオリヴェイラ監督が原因ということです。 その尻拭いをしてくれているのがジョルジーニョ監督なわけです。 チームは生き物ですから、今年の結果が悪いのが今季のせいだけと考える方がおかしいです。 昨年は決定機すら少なくセットプレイでの得点が4割強、守備的に戦っていたにも関わらず失点して追いつかれてドローという状況が多かったですが、今季は決定機は多く作れて攻撃的に戦っても失点数は昨年とそんなに変わっていません。 セットプレイのターゲットが岩政だけという状況でなければもう少し順位も上だったんでしょうけどね。 さすがにここに来てまだこの順位というのはこーめいも予想外ですが、今季はもとより戦力が乏しいことは分かっていたことですししっかり残留して来季にDFラインと決定力の問題を補強で解決したいですね。 ちなみに獲得の噂が出ているダヴィは完全移籍で獲得しようと思えば2億4千万円ほどかかるそうですが、今季の甲府はレンタル料無料で獲得、基本年俸も低く抑えて出来高制にしています。 ダヴィは給料の支払われない中東でプレイする意思はもうないでしょうし、サラルSCも戻って来ても給料を支払うつもりもないでしょう。 チームに置いて不平分子になるくらいならレンタル料無料で出した方がいいわけで、交渉次第では安く獲得出来る可能性もありますね。
前哨戦を糧にできるか ナビスコ杯決勝を前に清水戦を行えたのは鹿島にとってよかったと思います。 問題はこの前哨戦を糧にできるかどうかですね。 まず、上述したようにDFラインに問題があるのでサイドを起点に攻めて来る清水に対しては本田の起用は絶対不可欠です。 これによってサイドとバイタルの守備を強化、サイドバックもどちらかのサイドはCBタイプを起用した方がいいです。 新井場は大前に100%やられ、西もこの試合は石毛だったのでまだよかったもののナビスコ杯では高木相手に遅れを取るでしょうからね。 しかし、これもすでに書いたように今季の鹿島のDFラインの選手層は厚くありません。 左サイドに中田、右サイドに青木を持って来るくらいしか選択肢はなく、いずれにせよケガ明けの中田の起用をせざるを得ないでしょう。 そうすればビルドアップも今に比べて少しはよくなりますから。 本田をボランチに起用、柴崎を右サイドバックにするという手もありますけどね。 決定力についてはこれまで述べたように一朝一夕でどうなるものではありません。 しかし、ドゥトラがDFラインの低い相手にももっと裏を狙う動きを増やし、サイドからのクロスに対しては誰かが必ずニアに入る。 いずれもダイアゴナルの動きが重要となりますが、そのフリーランニングの質を高めればもっと決定機を増やすことができ、結果ゴールも多くなるでしょう。 あとはトーナメント戦に強い大迫の決定力に確変が起こること、レナトが間に合うことを期待するばかりです。 ナビスコ杯に優勝できれば自信になるでしょうし、そうすれば残りのリーグ戦にもいい影響は生まれると思います。
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明日の清水戦も先発メンバーがちょっと心配 |
ナビスコ杯決勝を控える鹿島に暗雲、司令塔レナトが負傷(スポーツナビ) 【J1:第30節 鹿島 vs 清水】プレビュー(J's GOALニュース) toto予想を一通りしたので最後に何か新しい情報でもないかと思ってネットを見たら、レナトが負傷というなくてもいい情報が目に入りました。 足の付け根を痛めて出場が微妙ということですが、J's GOALでは「鹿島は非公開練習が明けた試合前日練習をレナトが回避、ランニングだけの調整で終えた」ということなのでそれ程重くはないようです。 情報戦であることを祈るばかりですが、もし出場できないとなれば明日はぶっつけ本番の布陣で臨む可能性が高くなりますね。 4-2-3-1の布陣の場合、レナトの代役は本山が適任であることは前回のブログで書きましたが、本山も先週は別メニューの時があり、札幌戦にも帯同していませんでした。 また、天皇杯を観てもコンディション的にどうも90分はつらそうです。 そうなると記事にもあるように、本田をボランチに入れて柴崎を1列上げるのが次策となるでしょう。 興梠を入れて4-4-2の布陣にすると、これはレナトが加入するまでにやっていたメンバーなのでいきなり感は薄れますね。 遠藤が下がり目にポジションを取ってボールをもらって攻撃の起点になり、大迫がクサビのパスを受けに下がってトップ下のような感じでプレイすれば、前線の選手間の距離も少しは改善されると思います。 ただ、清水はサイドを起点にピッチをワイドに使って攻めてくるので、サイドの守備を考えるとどうしてもフラットの4-4-2になってしまうでしょうね。 だから4-4-2の布陣で戦う場合は、守備範囲が広く危機察知能力の高い本田をボランチに置いてサイドをケアしてもらって、4-2-2-2の形で戦えるようにしないといけないです。 サイドバックの守備力も問われることになりますね。 こーめいは本田のボランチ起用、柴崎をトップ下で起用する布陣がもっと機能しやすいと思います。 柴崎の技術とパスセンスがあればこなせるでしょうし、ボランチにも本田がいた方がサイドをケアしてくれるのでサイドハーフの守備の負担も軽くなります。 トップ下と言ってももともと前線の選手はかなり流動的にプレイしますし、一番違和感なくやれるのではないかと思っています。 あまりあれこれいじりすぎて札幌戦のように実力が出せないなんてことにだけはならないようにしてほしいですね。 そして、しっかり勝ち点3をゲットしてナビスコ杯決勝を迎えたいところです。
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【J1第29節】もどかしい逆戻りで大迫システム機能せず…の札幌戦 |
【結果】 10月20日(土) 2012 J1リーグ戦 第29節 札幌0-0鹿島(16:03/札幌厚別/7,208人) [フォーメーション] FW:大迫 MF:ドゥトラ、レナト、興梠 MF:小笠原、柴崎 DF:遠藤、青木、岩政、西 GK:曽ケ端 [選手交代] 76分:興梠→ジュニーニョ 87分:遠藤→岡本
【試合の感想】 大迫システムの実態 札幌は3-4-2-1のフォーメーション、しかしJリーグでお馴染みのペトロヴィッチ監督のサッカーとは違って押し込まれる展開を5バックで守ってカウンターというスタイルです。 鹿島はここのところ結果が出ている4-2-3-1の布陣ですが、遠藤が左サイドバック、そして右サイドハーフには興梠が入りました。 先週は練習でもこの形をしていたのですが、まさかの興梠のサイドハーフ起用、もうこの時点でまずいと思いましたね。 札幌の攻撃力、テレとハモンが先発でないことも考えると守備面に不安はないですが、問題は攻撃です。 こーめいは前回の記事で興梠、増田の先発起用は厳しいと書きましたが、遠藤のポジションに興梠が入っても機能しないことはっきりしており、やはり思った通りになってしまいましたね。 まずこれまでの機能していた形、いわゆる大迫システムのおさらいです。 前線の4人はかなり流動的に動きますが、遠藤が基本的に右サイドにいることから攻撃の組み立てはそちらのサイドから、大迫とレナト、遠藤というキープ力、足元の技術のある3人が攻撃を作ってドゥトラがゴール前に入っていくことでチャンスを作ります。 ここでの一番のポイントはドゥトラになるべくボールを触らせないことです。 そうすることで前線でタメができるので、FC東京戦からは柴崎、西もいいタイミングで攻撃に絡み始めていました。 特に西はようやくボールホルダーを追い越す動きが出て来てオーバーラップからクロスを入れるシーンも増えました。 クロスの精度はまだまだですがアーリークロスを含めてグラウンダーのパスはいいボールを入れていますし、今季のアシストはすべてその形からです。 3人が起点になり相手の守備の的を絞らせず攻撃を作り、1人がフリーランニングをする。 これが大迫システムの実態ですね。
システムが選手の上に立つことはない 対してこの試合のメンバーは4-2-2-2で機能していなかった4人の組み合わせでした。 遠藤が左サイドバックに入ったことでこの試合のDFラインからの組み立ては左から。 ビルドアップに関しては篤人移籍以来の出色の出来でしたが、遠藤の前にいたのはドゥトラだったのでそこでのボールの収まりが悪く詰まることになりました。 途中からレナトがポジションを左に取ることが多くなってからはその先まで繋げるようになっていたのですが、興梠が攻撃の組み立てに加わらずこれまでのドゥトラの役目を、ドゥトラが遠藤の役目をしていたのでスムーズに攻撃が作れなかったですね。 何度かドゥトラがいい形で前を向くことがあったのでそこでシンプルに大迫がレナトに預けてゴール前に行けばよかったのですが、どうしてもドリブルで行けるところまで突き進んでしまいます。 そのため、『そこは逆』効果で得点ができていたこれまでに比べてドゥトラ→大迫という役割逆転の逆転現象が起き、2人の関係が悪化していた頃に逆戻りしていました。 さらに興梠は遠藤に比べてオフザボールの動きも質も低く、ボールを受けに下がる動きがなく鹿島が低い位置でポゼッションしている場面で相手にDFの裏を狙うばかりだったので長いボールが多くなってボールを失うことになっていました。 前線にボールがいい形で収まった時は柴崎、サイドバックといいタイミングで攻撃にからむことができていたのですが、そういうシーンがこれまでに比べて極端に少なかったので後ろの選手がオーバーラップしていくチャンスができなかったですね。 それに札幌の布陣から鹿島のサイドバックが上がった時は5バック気味に守るサイドハーフがマンマーク気味で見ていましたし、サイドでは数的不利になる状況にはならなかったのでサイドバックの追い越す動きも封じられてしまいました。 鹿島はこれまでの興梠、大迫、レナト、ドゥトラの4-2-2-2から大迫、レナト、ドゥトラ、遠藤の4-2-3-1にして格段に攻撃が機能するようになったのですが、サッカーではシステム<選手というのは大原則であって同じフォーメーションでも選手が変われば攻撃的にも守備的にもなります。 確かに4-2-3-1で選手間の距離が短くなってパスが繋ぎやすくなったという効果はありますが、それ以上に大迫システムが機能しているのは興梠→遠藤の変化が大きいということです。 これによってボールの収まりどころ、起点になる選手、使われる選手のバランスがよくなるとともに役割分担がはっきりしたのでいい攻撃ができるようになったわけです。 そもそもパスを繋ぎやすい布陣になったのにドゥトラと興梠という足元の技術とパスセンスのない選手を2人も起用することが矛盾していますから。 大迫システムと言われている理由は、これは大迫がいれば機能するわけではなく、大迫がいないと機能しないシステムだからです。 そのため大迫だけでなく、レナト、遠藤も重要な役割を果たしており、そこをタイプの違う選手に代えては機能しなくなるのは当たり前です。 2列目のメンバーを変更するなら遠藤→柴崎、レナト→本山、ドゥトラ→興梠、増田、この変更である程度時間をかければ機能するかなという感じです。 ちなみに大迫の代わりをできる選手は今のところいません。 サッカーの大原則を無視した選手起用によって前線のボールの収まりが悪くなり、これまでより縦に早いサッカーになったので厚みのある攻撃もできませんでした。 後ろの選手がしっかり対応したのと札幌のミスが多かったので鹿島が一方的に攻めていた展開に見えますが、相当バイタルエリアで悪いボールの取られ方をしていましたから、キープ力のあるテレやパスの出せるハモンを早めに出されたらもっとカウンターで苦しめられていたでしょうね。 序盤から引き分け臭がぷんぷんする展開でした。
不可解な采配で勝ち点2を逃す こーめいは後半から遠藤を元のポジションに戻して興梠に代えて中田を投入、左サイドバックに据えるかと思いましたが、ジョルジーニョ監督は動きませんでしたね。 そのため後半もいい攻撃ができるわけもなく、低調な試合内容となります。 流れの中からの決定機も大迫のパスから興梠がゴール前に入ったくらいでしたね。 高原の素晴らしいセーブに札幌の選手の体を張った守備もありましたが、鹿島も大迫システムの2割程の力しか出せていませんでした。 これまで通りのメンバーで戦えば引いた相手にも十分得点できていたはずです。 大事をとって新井場を休ませたのはいい判断だと思いますが、左サイドバックは鳥取戦でいいパフォーマンスを見せた梅鉢でよかったと思います。 サイドバックの控えが19歳、20歳という状況であり、鳥取戦を受けて若い選手を起用するのが不安だったのかもしれませんが、遠藤を左サイドバックにするなら本田をボランチに、柴崎を1列上げて左サイドハーフにすれば十分機能したでしょうね。 こういうときは元の形に戻すのがセオリーですが、交代も遅く、興梠に代えてジュニーニョ投入。 興梠よりはましですが、遠藤よりはやはり機能していなかったですね。 パワープレイ要因に岡本の投入は理解できますが、遠藤に代えたのは失敗でした。 パワープレイは正面からゴール前にボールを入れてもDFからしたらクリアしやすいので、サイドからロングボールを入れないと意味ないのですが、その役割をする選手がいなくなりましたからね。 交代カードを1枚残したのも疑問で、疲労が顕著だったレナトに代えて本山を早い段階で投入してもよかったです。 交代が遅い上にカードを残し、試合後にチャンスは作れていたという言い訳コメントはこの2年間の引き分けが多かったオリヴェイラ監督とまったく同じでしたね。 そんな試合をしていては勝てるはずがありません。
産みの苦しみと我慢強さ それでも23分にはラッキーなPKをもらってこれを決めておけば十分勝てる可能性もあったのですが、興梠が止められてしまいます。 シュートはスピードがあってコースも良かったのですが、助走が短い上に1,2歩目が助走になっておらず、2ステップで蹴っていますね。 あの蹴り方ではよほどキックに自信がないと左には蹴れないでしょう。 誰もが右に蹴ると思い、GKも早いタイミングで左に動いていましたね。 その動きを見て中央、もしくは左サイドに蹴れば精度の悪いシュートでも簡単に決められることができたのですが、まだそこまでの駆け引きはできないようです。 本来ならレナトや小笠原に蹴らせる方がいいのでしょうが、興梠、大迫にPKを任せているところがジョルジーニョ監督らしいです。 世代交代の渦中にあって若い選手の成長のためという意図であり、当然若い選手に任せた場合上手くいかないこともあります。 実際に柏戦、この試合と2試合続けてはずしています。 そうなると当然、サポーターから批判も出るのですが、それでも若い選手に任せ続ける我慢強さ、そして批判を監督が受け止める度量、覚悟。 これが世代交代、若い選手を育てるのにもっとも重要なものであり、チームをここまで弱くしたオリヴィエラ監督にはなかったものです。 今はジョルジーニョ監督も産みの苦しみといったところでしょうね。
清水との連戦へ 札幌戦で勝利して勢いをもって挑みたかったですが、不完全燃焼な試合となってしまいました。 清水との2連戦ではとにかく今の鹿島の全力を出すことに注力してほしいです。 この試合のように力を出しきれないまま終わってしまうとやりきれないですからね。 次は新井場も戻って来るのでメンバーも元通りになるでしょう。 そうすればいい試合ができるのは間違いないですし、結果もついてくると思います。
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【N杯準決勝2nd】レギュレーションを活かしたプラン通りの試合運びで決勝進出…の柏戦 |
【結果】 10月13日(土) 2012 ヤマザキナビスコカップ 柏2-2鹿島(19:04/柏/13,527人) [得点者] 12' ドゥトラ②(鹿島)←大迫勇也① 24' 大迫勇也⑦(鹿島)←ドゥトラ① 37' ジョルジワグネル(柏) 90'+4 ネットバイアーノ(柏) [フォーメーション] FW:大迫 MF:ドゥトラ、レナト、遠藤 MF:本田、柴崎 DF:イバ、青木、岩政、西 GK:曽ケ端 [選手交代] 85分:ドゥトラ→増田 90分:レナト→本山 90+3分:遠藤→興梠
【試合の感想】 先制点で流れを読み込む 柏は4-2-3-1、工藤と田中が縦関係になり、出場停止の栗澤、ケガのレアンドロ・ドミンゲスのところにはそれぞれ茨田と水野が入りました。 鹿島もフォーメーションは4-2-3-1、鳥取戦のメンバーから推察されたように快勝したFC東京戦から出場停止の小笠原が本田に代わっただけでした。 立ち上がりから柏が攻めて来ますが、最初のシュートは鹿島。 柏のFKからの横パスを新井場がインターセプト、そのままミドルシュートを放ちますが枠には飛びません。 すると5分には柏の水野がフリーでシュート。 岩政の誰に出したか分からないパスが西に当たってボールを奪われると中央へのクロスのこぼれ球がファーサイドの水野にこぼれますが、このシュートも枠を外れます。 そのゴールキックから今度は大迫が抜け出してシュートを打ちますが、これはDFに阻まれます。 最初からシュートが飛び交う展開となりますが、鹿島は序盤DFラインがあたふたしている場面が目立ちましたね。 水野のシュートの場面も岩政のパスミスから始まって、クロスを青木が中途半端なタッチで柏の選手に当ててしまい、その後にも岩政のタッチラインへのヘッドのクリアが中途半端になって相手に拾われ、10分にはDFラインのボール回しから青木がリスクの高いダイレクトパスを狙ってインターセプトされるなど繋ぐのか、クリアするのか、キープするのか、その判断が非常に曖昧でした。 また、攻撃ではDFラインからの精度の悪いロングボールが多く、この2つが序盤に押し込まれた原因でしたね。 そのため、柏もより攻撃的に来ていてDFラインをかなり高くしていたのですが、左サイドバック橋本の裏のスペースを大迫が狙うとそこに西からいいフィードが出て来ます。 ここでようやく鹿島の前線にボールが収まり、落としのボールを受けたドゥトラから中央へポジションを移した大迫へ再び繋ぐと、ミドルシュート。 これはDFに当たってまたまたボールは大迫の足元へ。 今度はスルーパス、ダイアゴナルに走ったドゥトラが抜け出して左足で逆サイドのネットを揺らします。 角度のないところからでしかも左足でしたが、やはりドゥトラはペナルティエリア内でフリーで前を向くと決定力はありますね。 大迫とドゥトラの2人だけのパス交換から生まれたゴールでしたが、西の右サイドを追い抜く動きも良かったですし、レナトが前線に入ってDFラインを下げる役目をしていました。 FC東京戦のドゥトラのゴールの時も遠藤が前線に入ってその役目をしていましたし、オフザボールの動きも格段によくなっていますね。 立ち上がりDFラインがバタバタしていただけにこの先制点は大きかったです。 これで落ち着いた試合運びが出来るとともに、1stlegホームでのアドバンテージをさらに強固なものにすることができました。
『そこは逆』効果 先制点で勢いの出た鹿島はレナトと遠藤の絡みからオーバーラップした西のクロス、左からレナトが持ち込んでシュートを放つなど攻勢に出ます。 守備でもしっかりブロックを作って守るとDFラインも落ち着いてロングボールやこぼれ球に対処できるようになりました。 しかし、相変わらずリスタートからゴール前に放り込まれたボールには慌ててしまいますね。 23分にはロングスローからのボールを一度ははじき返すのですが、クリアボールをダイレクトで再び放り込まれるとすでにマークがずれています。 フリーのジョルジ・ワグネルのシュートが柏の選手に当たってがちゃがちゃするとこぼれ球を橋本がシュート、危ない場面でしたが曽ケ端の好セーブでCKに逃れます。 そのCKからカウンターが発動、遠藤のロングボールをドゥトラが胸トラップしてフリーの大迫へスルーパス、GKとの1対1を落ち着いて征して追加点を奪います。 遠藤はこういう後方から前線へのロングボールは得意ですね。 ドゥトラと組んで4-2-2-2でやっていた頃は低めのポジションを取ってボールを受けることが多かったので、その時もアシストの1つ手前のパスでゴールチャンスを作っていました。 ドゥトラも上手く水野の前に体を入れてトラップしましたし、前線にスペースがあったこともあって珍しくいいパスが出て来ました。 大迫のオフサイドにならないようタイミングを計った動きも良かったですね。 これで柏はアウェイゴールのアドバンテージがなくなって、鹿島にかなり優位な展開となりました。 そこからも遠藤やドゥトラがサイドでいい守備をしてインターセプト、中央では本田がこれまでの鹿島になかったディフェンスの上手さを見せてボールを奪うなどリズムよく守れていました。 それだけに前半を無失点に終えたかったのですが、ゴール前で青木がファウルを与えてしまいます。 FKから放り込まれたボールだったのですが、その大谷へのレナトのファウルがミスジャッジでしたね。 レナトはこぼれ球に対して普通にアプローチして触っていて、そこに大谷がかなり遅れて入って来ているだけですからファウルでも何でもないです。 この試合、西村主審の判定は地味に酷かったですね。 これより前にあった本田と田中の接触でファウルを取られたシーンがありましたが、これも明らかに本田の方がいいポジションを取ってボールにきちんとプレイしていました。 この後にもレナトが普通にヘディングしただけなのに、その頭が後からアプローチに入った柏の選手に当たったというだけどでファウルを取られましたからね。 どちらが正当にボールにアプローチして先に触っているか観ておらず、遅れて体をぶつけにきた柏の選手が勝手に痛んでそれをファウルにするという有り得ないジャッジの連続でした。 こーめいの西村主審に対する評価は、『Jリーグではマシな方だがレベルは低い』というものですがその評価相応の拙いジャッジが多かったです。 それにしても、2試合連続でFKを直接決めて来るジョルジ・ワグネルはやはりすごいですね。 1点差にされたものの、鹿島はすぐに反撃を開始、先制点同様に『そこは逆効果』が発動します。 左サイドで粘ってボールをキープしたレナトからのパスを受けると大迫がスルーパス、抜け出したドゥトラが茨田に倒されてPK判定となります。 ここも遠藤が前線に入ってDFラインを押し下げているのでオフサイドにならなかったですし、大迫→ドゥトラのホットラインは今や強固なものとなっていますね。 橋本がカバーに入っていたということでイエローカードの判定でしたが、フリーで前を向いていたのでカバーに入ってきた選手も切り返し1つで簡単にかわせるので、ファウルがなければ得点の可能性は高かったんですけどね。 レッドカードでもおかしくなかった場面です。 3点目を決めたら試合は完全に決まっていたのですが、このPKを大迫が止められてしまいます。 PKは興梠の方がまだ上手いですね。 ジョルジーニョ監督は試合後にフォローするコメントをしていましたが、スピードもなければコースも甘く、GKとの駆け引きもできていないので止められて仕方なかったと思います。 しかし、今のチーム状況だと前線でのキープ、チャンスメイクや守備を頑張っている大迫がPKを蹴るべきだとこーめいも思うのでしっかり練習しておいてほしいですね。 1点取ってPKも阻止して勢いの出た柏でしたが、鹿島の選手はこれを落ち着いていなして前半は1点リードのまま折り返します。
引き分けは反省材料 少なくとも2点は取らないといけない状況のため、後半の頭からネルシーニョ監督が動いて来ます。 水野に代えてネット・バイアーノを入れて布陣を4-1-2-3に変更して来ました。 攻撃的に来る柏にも鹿島は落ち着いて対応、布陣変更にも徐々に慣れてきます。 51分には新井場のクリアを那須がトラップミス、これをフォローした近藤が負傷。 昨年柴崎もありましたけど、こういう味方のミスをフォローしようと無理した時に筋肉系のケガをしてしまうことが多いんですよね。 これによって柏は増嶋が入り、那須が左サイドに回ります。 ここからは柏が攻めて、鹿島が守ってからカウンターという流れが強くなります。 63分には左サイドを上がっていた橋本のパスのこぼれ球を工藤がフリーでシュートを打つのですが、曽ケ端が好判断で飛び出して防ぎます。 鹿島も大迫のドリブルでの仕掛けや上がった柴崎が絡んで柏のゴールに迫ります。 さらに大迫のキープ、遠藤が絡んでのドゥトラの左サイドの仕掛け、西のグラウンダーのクロスにドゥトラ、柴崎が飛び込むシーンなど中央で合えばゴールというところまで行きます。 シュートで終わるのはいいことなのですが、この辺りから遠目からのちょっと雑なプレイが多くなって来ましたね。 一方、柏の攻撃はそれ程怖さがなくなって来て危ないシーンはリスタートくらいかなという感じでした。 しかし、今の鹿島は高確率でロスタイムに失点するのでそれ程余裕もなく、90分の時点で追いつかれると非常にまずい状況でした。 2失点しても負けではないですが、延長戦には行きたくないですからね。 81分のFKからの増嶋のヘディングシュートはポストに助けられます。 鹿島もドゥトラのシュート、遠藤がペナルティエリアに切り込んでのシュート、遠藤のスルーパスからレナトのシュートなどで反撃。 2列目の選手は守備にカウンターにと相当アップダウンしていましたが、終盤もよく動いてチャンスを作り、決定機は鹿島の方が多かったですね。 攻守に負担の大きかった2列目の交代は妥当だったと思いますが、増田、本山、興梠と代わっていくうちにやはり前線でのキープ、サイドの守備と攻守に物足りなさが見えました。 左に興梠、右に増田となっていましたが守備の時の距離間、対応の仕方、守から攻への切り替えでのキープやパスを観てると現時点では先発はちょっと厳しいですね。 ロスタイムには思った通りロングスローから失点してしまいます。 DFラインも踏ん張って最後までよくはじき返していましたし、G大阪戦同様にリズムよく守れていただけにもったいないですね。 ここのところの失点は横浜FM戦が曽ケ端のミス、スローインからのドリブル突破、G大阪戦がロングスローからとセットプレイの2次攻撃、FC東京戦もセットプレイから、この試合も直接FKとロングスローでリスタートばかりなんですよね。 これは完全に集中力の問題なので修正は可能です。 あとは能力の高い外国人選手にゴールされることが多く、これは単純に後ろの選手の個の力が足りてないということですから、そういった選手との競り合い、駆け引きに勝てるよう若い選手含めてDFラインのレベルアップをしていかないといけないですね。 それと今の鹿島の永遠の課題であるDFラインのビルドアップの改善も必要です。 攻撃に関しては2点を取って勝てない試合が川崎、G大阪、柏と続いているので守備の方がやはりまず問題なのですが、チャンスを作れているだけにトドメの3点目を奪えるようにしたいです。 また、残り時間が少なくなったら鹿島るのも手ですよね。
決勝は4度目の対戦となる清水 決勝戦の相手はFC東京にホームで逆転勝ちした清水に決まりました。 今季はナビスコ杯で1度、リーグ戦で1度対戦しています。 ナビスコ杯決勝の前にリーグ戦でも対戦があるので4度目の対戦、しかも連戦となりますね。 これは鹿島にとっていいことだと思います。 清水にやられるとしたら運動量、球際での競り合いで負ける場合でしょうから、ナビスコ杯決勝の前にそれを体感できるのは大きいです。 ゴドビ監督がどういう戦術を執ってくるかも不気味ですからね。 もちろんリーグ戦でいい試合をして勝って清水にやりにくさを抱かせるのが一番ですが、苦戦してもそこから修正すればいいので鹿島にとってはどちらに転んでも大きいでしょう。 最近の清水はシュートが二桁に行った試合はなく、どうして勝てているのか不思議なところもありますが、攻撃ではサイドからのクロスとゴール前に入る動き、カウンターの精度が高いですね。 鹿島は両サイドバックが弱く、今季はサイドから放り込まれての失点も多いので気をつけないといけません。 先制されるとカウンターをされやすくなるので序盤から積極的に行って何としてでも先に得点を奪って主導権を握りたいですね。 清水の良さは何といっても運動量と球際の強さです。 若い選手が多いので90分よく動きますし、勢いに乗らせたら怖いですね。 しかし、若いだけあって大舞台に呑まれる可能性もあります。 FC東京戦も最初は固さが見られました。 初戦でリードしているのであまり攻撃に積極的でなかったFC東京の方が攻めていましたし、決定機も作れていましたからね。 その決定機をものに出来ていたら流れは完全にFC東京だったでしょう。 とにかく運動量、球際の強さを制して若いチームを勢いに乗せないようにしたいです。 次の札幌戦を勝利して清水との連戦にいい形で入りたいですね。
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【天皇杯3回戦】残ったのはがっかり感と期待感と疲労感と…の鳥取戦 |
【結果】 10月10日(水) 第92回天皇杯 3回戦 鹿島2-1(ex.)鳥取(19:00/カシマ/2,606人) [得点者] 40' 増田誓志①(鹿島)←興梠慎三① 75' 美尾敦(鳥取) 110' 興梠慎三①(鹿島)←増田誓志① [フォーメーション] FW:興梠 MF:増田、本山、遠藤 MF:本田、小笠原 DF:鈴木、青木、昌子、土居 GK:佐藤 [選手交代] HT:本田拓也→梅鉢貴秀 67分:遠藤康→ドゥトラ 71分:土居 聖真→西 大伍
【試合の感想】 距離感と守備意識の差 鹿島は4-2-3-1の布陣でしたが、思った以上にメンバーを入れ替えて来ました。 GKに加えてDFラインを3人、しかも若い選手を起用して来るなどジョルジーニョ監督は大胆な采配をして来ましたね。 攻撃陣も興梠、本山、増田が先発となり、完全に中2日で迎えるナビスコ杯の柏戦を見据えての選手起用でした。 攻撃が連動したFC東京戦からメンバーは入れ替わったものの、大迫、レナト、ドゥトラの役割を興梠、本山、増田がそれぞれ担うことができれば十分機能する可能性はありました。 しかし、序盤から鳥取の勢いに苦しめられます。 鳥取も4-2-3-1の布陣、中2日、アウェイ2連戦で富山→鹿嶋と移動、リーグ戦では残留争いの佳境という状況にも関わらず前線から積極的にプレスをかけて、球際を激しく来ていました。 前線から最終ラインが非常にコンパクトで鹿島の選手にスペースを与えずに守り、ボールを奪うと繋いで右サイドに展開、クロスからゴールを狙って来ます。 繋げないと判断するとシンプルにトップに当ててこぼれ球を拾う方法をとっていましたね。 対する鹿島は立ち上がりから興梠、増田がまったく守備に参加する意思がなく、残りの9人で守ってボールを奪うものの前線に残っている2人にはまったく収まらないので攻撃の起点すら作れずにいました。 興梠、増田はポジショニングが悪く、鳥取のDFラインに張りついて裏を狙う動きばかり、引いてボールをもらう動きも体を張ってキープする気合いもなかったので、本山や遠藤との距離間が開いてしまっていましたね。 バイタルエリアで起点になって欲しい頼みの本山も鳥取の激しい当たりに苦しんで潰されていたので、鹿島は鳥取相手に手も足もシュートも出ない状況が続きます。 この距離感と球際での意識の違いが両クラブの明暗を分けていましたね。 それでも遠藤がボールをキープして何とか前線で起点を作り始めると、23分には小笠原のスルーパスから興梠が一瞬の速さを生かしてドリブルで抜け出してGKと1対1になりますが、シュートはゴール左にはずれます。 こういうところを決めてくれると助かるのですが、やはりワンタッチゴールでないと精度は期待できないですね。 その後も遠藤を起点に何とか押し上げて左サイドバックの鈴木の仕掛けからクロス、ファウルをもらうなどセットプレイから昌子のヘッドなどチャンスを窺いますが決定機は作れません。 40分にようやく興梠がサイドに流れてボールを引き出したかと思ったら、本山とうまくからんでグラウンダーのクロス、ゴール前に増田が入って先制点を奪います。 結局はFC東京戦の大迫とレナトに遠藤や西がからんで右サイドで攻撃を作り、中央に入ったドゥトラが決めるというのと同じ形なんですよね。 この形ならこのメンバーでも得点を取れると思っていたので、興梠にはもっと広く動いてボールを収めて欲しかったのですが、運動量も少なく球際で粘る気持ちも乏しかったですね。
苦行と化した65分 低調な試合ながら先制した鹿島は前半に鳥取のファウル気味の当たりに痛めるシーンが多かった本田に代わって梅鉢が入ります。 これはプレイ続行不可能だったのか、大事を取っての交代だったのか分かりませんが、柏戦では活躍してもらわないと困るので大きなケガになってないといいですね。 後半になっても試合の流れ、お互いの攻撃は変わらずに鳥取は終始右サイドから攻めて来ていました。 鹿島も前半に引き続き遠藤が起点になって鈴木のオーバーラップからの仕掛けからチャンスを窺うくらい、前線の興梠や増田が起点になれないのでサイドバックの上がるタイミングはあまりありませんでしたね。 土居は左サイドの鈴木が攻撃的ということでバランスをとっていました。 それでも前半の得点した形と同じく興梠が右サイドに流れて本山とからむと決定機が生まれます。 クロスに対して中央には増田と遠藤が入っていたのですが、増田が空振り。 絶好の決定機を逃してしまいます。 しかし、やはり1トップとトップ下が起点になって両サイドハーフがゴール前に入っていくという形は有効ですね。 その後はカウンターから本山がドリブルで切り込んでミドルシュートを放つなど、鹿島もチャンスはあったのですが23分に遠藤が退いてドゥトラが入ると苦行が始まります。 ジョルジーニョ監督としては柏戦を睨んで遠藤を早めに下げたのでしょう。 それにどんなに苦戦しても大迫を入れれば勝てるという読みもあったと思います。 しかし、25分には土居が足を攣り、再びアクシデントによって最後の交代カードを切ることになります。 この2つの交代でこーめいはかなり厳しい状況になったと思いながら観ていたのですが、やはり唯一のボールの収まり所がなくなったためここからの鹿島は攻撃するどころか、ただ守ってボールを奪って前線に蹴りだすという繰り返しになります。 興梠も後半からは体を張ってくさびのボールを受けようとする意志は見られましたが、一旦収まってもそこからの技術やパスに難があってボールを奪われ、大迫のようにはプレイできないですね。 交代で入ったドゥトラがボールをキープしてくれるとよかったのですがやはりトラップ、パス、ドリブルでミスが多く、ボールに触らせない方がいい仕事しますね。 そうすると鳥取が攻勢を強めて来ます。 次第に危ないシーンも増えて来てポストに助けられたり、失点してもおかしくない場面が出て来ます。 増田がボールを奪われると鈴木が振り切られてフリーでマイナスのクロスを入れられると途中出場の美尾にミドルシュートを決められてしまいます。 後半から入った梅鉢は本田同様に守備範囲が広くよく守り、CBの青木、昌子もよく耐えていたのですが、これだけ前線の選手がボールを収められずに押し込まれ続けるときつくなりますよね。 失点した鹿島は得点を奪う意識を見せて西のオーバーラップから中央に入ったドゥトラ、増田がシュートを放ってゴールしますがこれは惜しくもオフサイド。 終了間際には鈴木も足を攣ってしまい、鈴木を1トップにして興梠を2列目に、増田を左サイドバックにする応急処置で対応します。 鈴木はほとんどプレイに参加できていなかったので、ここからの鹿島は実質10人で戦うことになっていました。 ロスタイムには鳥取にビッグチャンスを作られますが、佐藤とCBが何とか踏ん張り事なきに終えると延長戦に突入します。
采配が勝利を呼び込んだ延長戦 交代カードが残ってない以上、大きな変化をもたらすことはできないですが、ジョルジーニョ監督はできる限りの範囲で手を打ちます。 増田までも足が攣ってしまったこともあり、左サイドバックには梅鉢、ボランチには小笠原と本山を配置します。 これによって鹿島は安定感を取り戻します。 ポゼッションされて攻められる苦しい状況は変わらないのですが、左サイドに入った梅鉢がパーフェクトに近い対応をしてシャットアウトします。 鳥取は前半からほとんどの攻撃を右サイドから行っていたので、守備に回る時間が多かった延長戦を守りきる上で梅鉢のディフェンスでのパフォーマンスの高さは大きかったですね。 また、鳥取の当たりの激しさに苦しんでいた本山を小笠原とともにプレッシャーの少ないボランチにすることでボールを落ち着けるところができました。 延長前半を何とか耐え凌ぐと、後半5分に小笠原が高い位置を取れたためそこからスルーパス、裏に走った増田のクロスを中央に入っていた興梠が決めて勝ち越し。 最後まで鳥取の攻勢に苦しめられますが、DF陣が踏ん張って残り時間を守りきり、4回戦進出を決めます。 選手はもちろんですが、観ている方も試合終了のホイッスルが鳴った時には疲労感がどっと来る試合でした。
選手評 ○鵬翔コンビ 試合を決めたのも増田と興梠ならこの試合を難しくしたのもこの2人でした。 立ち上がりから気持ちが感じられず、相手に何度も潰されながら何とか起点になろうとする本山、体を張って起点になりFC東京戦のようにボールに食らいつく気持ちの見えた遠藤とは大きな差が見えましたね。 それは試合後の興梠のコメントがすべてを物語っていると思います。 結局この2人がまったく守備する気も体を張る気もなく、機能せずにボールが収まらなかったので鳥取に攻め続けられる展開となり、結果後ろの選手に余計な負担がかかってしまいました。 興梠はワンタッチゴーラーなのでペナルティエリアの範囲でしか動かないというのはセオリーですが、それならもっとくさびのボールをしっかり収めないといけないですし、1トップの場合は広範囲に動いてボールを引き出すことが必要ですね。 実際に鹿島の決定機は興梠がサイドに流れて増田や遠藤らがゴール前に入って行く形で生まれていますから。 それが出来れば対戦相手の実力によっては1トップを張れる可能性もあります。 増田はこの試合の梅鉢のパフォーマンスを見るとボランチとしての序列はすでに5番目。 しかし、これまで何度もこーめいが言っているようにゴール前に入っていく動きはいいのでドゥトラの控えとしてレギュラーを狙っていくのがいいです。 それなら可能性はあると思いますよ。 ただ、2人ともこの試合のようなボケた気合いでは到底レギュラーは取れないでしょうけどね。
○MF陣 本山はもともと体を張ってキープするタイプではないので、中盤のスペースを消して当たりを激しく来る鳥取の守備に苦しめられましたね。 年々コンディションはよくなっていると本人は言っていますが、後半途中にはすでにヘロヘロ状態、120分戦いましたが高いパフォーマンスは維持出来ていなかったです。 やはり主力として考えるにはコンディションが心もとないです。 遠藤は前線でボールを預けられる役目を担っていたので目立たなかったですが、地味に効いていました。 実際にピッチを退いてから鹿島は苦しくなって行きましたから。 ただ、やはりパスの出し手より受け手としての方がいいプレイができますね。 それはドゥトラも同様でした。 他に起点になってくれる選手がいないので、縦パスを受けるシーンが多かったのですが、トラップミス、パスミスのオンパレード。 前を向いてボールを持ててもドリブルが大きくなってボールを奪われたり、枠に行かない遠目からの強引なシュートばかりとほとんど効果的なプレイはできていなかったですね。 やはりボールにあまり触らせずにシャドーストライカーとして生かすしかないでしょう。 小笠原も相手のプレスに苦しむシーンが多く、後半戦、延長とかなりバテていました。 しかし、小笠原は負けん気が強くそういう状況でも気力でやれる選手ですからね。 最後までよく走ってチームの柱として存在感を見せていました。 本田はこの試合はあまり調子がよさそうではなかったですが、いてくれるとやはり守備に安定感があります。 途中で退いたので心配ですがたいしたことないことを願っています。 その本田と代わって入った梅鉢は非常にいいパフォーマンスを見せていました。 守備範囲が広くボール奪取も上手いのでファーストボランチとしてこれから期待できそうです。 そして、こーめいが以前からサイドバック起用を提案していましたが、この試合では急遽左サイドバックに入って安定した守備を見せていました。 その安定感はポゼッションしている時も同様で、DFラインでのボール回しも自然と梅鉢からビルドアップするようになっていましたね。 縦パスは相手選手に引っかかることが多かったですが臆することなく入れていました。 それに鈴木が動けずに10人状態、興梠やドゥトラの受ける動きも少なかったですし、右利きで左サイドだったのでやりづらかった面もありますからね。 右サイドバックで起用すれば鹿島の課題である守備、ビルドアップともに改善されると思います。
○GK&DFライン まず若い鈴木、土居、昌子ですが、DFラインが3人も代わっていたこともあって両サイドバックはもっと守備で破綻するかと思ったのですが予想以上にしっかりやっていましたね。 奇しくも責められる時間帯が多かったのですが、しっかり相手の選手を見れていましたし、絞って守備するところも良かったと思います。 前線で起点ができなかったのでオーバーラップするチャンスが少なかったですが、鈴木はその少ないチャンスを見逃さずに積極的に上がってドリブルで仕掛けてクロスを上げていましたし、反対サイドの土居は上手くバランスを取っていました。 2人とも足を攣るまではいいプレイが出来ていたと思います。 J1で通用するにはもっと成長が必要ですからがんばってほしいですね。 昌子はジョルジーニョ監督の試合後のコメントにもあったようにベテランのように頼もしいパフォーマンスを見せていました。 順調に成長中という感じですね。 青木はFC東京戦に続いて集中してよく守れていました。 若いDFラインをよくまとめていましたね。 この集中力を持続して行ってください。 GKの佐藤は一度ハイボールの処理で相手選手に突っ込まれて落としてしまう危ない場面があったものの、全体的に安定して良く守れていました。 思いのほか、攻められっぱなしの試合展開で決定機も鳥取の方が多かったですが、最後のところで踏ん張っていてくれたおかげで決勝点が生まれましたね。
天皇杯3回戦の様相、次は柏戦 予想以上の苦戦に試合内容も散々、興梠や増田のパフォーマンスにはがっかり感もありましたが、結果は出しましたし4-2-3-1の新システムでの可能性も見せました。 また、若い選手には大いに期待感を抱けた試合でした。 オリヴェイラ監督の時からもそうでしたが、とりあえずもっと普段から練習試合はしておくべきだと思います。 ただ、この試合はちょっと特殊で120分ほぼ鳥取ペースで試合が進んでいましたし、前線にボールがおさまらなかったのでバックラインには相当負担がかかっていました。 その影響も大きかったと思いますし、練習試合をしても鹿島の場合はこんなにバックラインに負担のかかる試合はない分、普段から試合はこなしておかないといけないです。 この3回戦で苦戦をしたのは鹿島だけでなく、仙台と新潟が敗退、2点差以上つけて勝利したJ1クラブは大宮だけでしたね。 磐田がPK勝ち、川崎は延長までもつれこみ、名古屋、浦和、柏はロスタイムでの決勝弾、C大阪も勝ち越したのはほとんど終了間際でした。 ナビスコ杯のある清水、残留争い佳境の新潟と大宮が若干のメンバー変更をしていましたが、もっとも大きなメンバー変更をしていたのが鹿島でした。 延長戦まで行ったものの、柏戦で先発出場する選手は青木以外は70分以上プレイしていないですからね。 こーめいはいささかメンバーを代え過ぎだとは思いましたが、選手を休ませて若い選手を起用して勝てたということは大きかったと思います。 この試合でも決定機が作れていた時はそうだったように、選手それぞれがしっかり自分の役割を認識して全うすれば4-2-3-1のシステムは機能すると思います。 柏戦ではFC東京戦のメンバーに小笠原→本田の変更があるだけでしょうから、この日出場のなかった先発メンバーはプレイの質、気合いの違いを見せつけてほしいですね。 そして必ず決勝に勝ち上がりましょう。
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【J1第28節】MFがパスしてFWがゴール、そこは逆…のFC東京戦 |
【結果】 10月6日(土) 2012 J1リーグ戦 第28節 鹿島5-1FC東京(15:03/カシマ/15,118人) [得点者] 18' ドゥトラ④(鹿島) 38' 柴崎岳①(鹿島)←西大伍③ 69' 遠藤康⑥(鹿島)←レナト② 71' ドゥトラ⑤(鹿島)←大迫勇也⑦ 83' 高橋秀人(F東京) 87' ドゥトラ⑥(鹿島)←興梠慎三④ [フォーメーション] FW:大迫 MF:ドゥトラ、レナト、遠藤 MF:小笠原、柴崎 DF:イバ、青木、岩政、西 GK:曽ケ端 [選手交代] 78分:大迫→興梠 80分:新井場→昌子 86分:レナト→本山
【試合の感想】 0トップシステム発動 FC東京は一時3-4-2-1の布陣を使用していましたが、ここのところは再び4-2-3-1で戦っていますね。 前節からメンバーを3人入れ替えて来たのは、1週間で3試合というタイトなスケジュールを考慮して鹿島が本田をベンチスタートしたようにコンディションが本調子でない選手の起用を控えたのかと思いましたが、FC東京は天皇杯はすでに敗退していたんですね。 そのため、選手を入れ替えたのはエジミウソンがまだコンディションが完全ではなく、椋原はケガ、前節途中からボランチにした梶山を始めから後ろで起用してゲームを作らせる狙いがあったのだと思います。 鹿島は前節から採用して攻守に手ごたえを感じた4-2-3-1の布陣、本田と遠藤の入れ替えがあって柴崎がボランチでの出場となりました。 本田がベンチスタートということで守備に不安があったのですが、この試合では前節より前からしっかりプレスをして球際も激しく行く守りが出来ていました。 攻撃についてはジョルジーニョ監督が先発起用にこだわるドゥトラをどうやってチーム戦術に組み込むかがここのところの鹿島の課題だったのですが、4-2-3-1に布陣変更したことで改善が見られて来ました。 前節もそうでしたが、4-4-2の時よりレナト、大迫と距離が近くなるためパス交換しやすくドゥトラが相手に囲まれる場面、判断に迷う場面、一人で突っ込んで行く場面が減って来ていますよね。 この試合では立ち上がりにドゥトラのドリブル、ポストプレイでのミスからボールを奪われてシュートまで持って行かれるなど相変わらずミスが目立ったものの、遠藤のミドルシュートがバーに直撃した辺りから次第に右サイドを起点に攻め出します。 小笠原、柴崎という配置だったボランチの2人も左右を入れ替えていましたね。 18分にはスローインのリスタートから右に位置を移していた柴崎が上がって行ってグラウンダーのセンタリング、権田が触ったこぼれ球に詰めたドゥトラが押し込みます。 この先制点でこーめいが思ったのは、柴崎は本当にクレバーな選手ということですね。 ただセンタリングを入れるのではなく相手からすると本当に嫌なDFラインとGKの間に速いボールを入れていましたからね。 センタリングのセオリーの1つではあるのですが、今の鹿島の選手(特に両サイドバック)はスピードに乗った状態からああいうセンタリングを入れることがないのですごく新鮮に映ります。 ああいうボールを入れれば味方に合わなくてもゴール前で何かが起こる可能性がありますからね。 もう1つは前節同様こぼれ球に詰めてゴールしたドゥトラはペナルティエリア内でフリーで前を向いてシュートを打ったら決められるんだなということです。 先制点で勢いに乗った鹿島はさらに攻勢を強め、遠藤、大迫、レナトと決定機を迎えますが決め切れません。 1トップの大迫は下がってポストプレイ、サイドに流れてボールを引き出すなど自由に動き回って起点になり、それによって空いたスペースにドゥトラが入り込む形となりました。 また、遠藤は右サイドや中央で起点になるとともに、積極的にDFラインの裏を狙っており、その動きが効いていましたね。 レナトは上手いポジショニングで周りの選手との間合いをフォローしながら隙あらばスルーパス、シュートを狙います。 これまではドゥトラ、遠藤がパスの出し手の役割を担っていて、特にドゥトラはパスを出せずにFWとの関係が悪化していたのですが、この2人がフリーランニングして、0トップの大迫とトップ下のレナトがパスを出すという役割逆転現象がバチコーンとハマっていました。 鹿島はボールの奪い方も良かったですし、前線の選手の役割分担がはっきりしたことで非常に機能性が増していましたね。 試合内容からして前半のうちに追加点が欲しい鹿島でしたが、前線で起点が出来ていたため頻繁にオーバーラップできていた両サイドバック含めてフィニッシュにかかるところで雑さが目立ち得点には至りません。 そうするとプレイの精度なら任せろとばかりにオーバーラップして来た柴崎が西からのグランダーのクロスを落ち着いてトラップ、狙いすましたシュートは左サイドに突き刺さり欲しかった追加点を奪います。 レナトからの縦パスを受けた大迫のキープによって柴崎、西が上がる時間ができましたし、何よりDFを4人引きつけましたから、当然右サイドの局面では数的優位になり、FC東京はマークに付き切れない状態になります。 守備を完全に崩しての素晴らしいリーグ戦初ゴールでした。 ただ、2得点したからと言って安心できないのが今の鹿島です。 前半に1点返されたらどうなるか分からないですが、この日の鹿島は選手全員が献身的に守備をしていました。 逆にカウンターからレナト、遠藤、大迫と繋いでゴール前に走り込んだドゥトラが決定機を迎えますが、これは権田に止められます。 それで得たCKから大迫のヘッドはゴールのサイドネットの外側、FC東京も石川のドリブルからのシュート、ルーカスのミドルシュートで反撃しますがどちらも曽ケ端がセーブ、2点リードのまま後半に突入します。
初イエローハット賞とリクシル賞 こうなって来ると後半の試合の入り方が重要となるのですが、立ち上がりはFC東京が攻め込むものの鹿島は集中してよく守れていました。 すると51分に前線のプレスから大迫がボールを奪い、GKと1対1を迎えるのですがこれは右にはずしてしまいます。 鹿島は遠藤、レナト、柴崎の3人が右サイドで起点を作ってゴール前に大迫やドゥトラが入るという形でチャンスを作っていましたが、やはり最後のところがちょっと雑ですね。 その後はカウンターから大迫がドリブルで仕掛けてミドルシュート、これは権田に止められてしまいますが、ストライカーですしこーめいはどんどん狙っていっていいと思います。 ポストプレイや守備などしっかりチームのタスクはこなしていますし、まさにマルキーニョスという感じですよね。 ゴールという結果が出るようになれば周りからパスを出せと言う声もなくなって来ますから。 57分には岩政とドゥトラの連携ミスから石川に決定機を与えてしまいますが、シュートミスで助けられます。 前を向いているドゥトラに任せるのがセオリーですが、それも心配なところがあるので岩政も足を出してしまったのかもしれません。 雑な選手同士が低い位置でからむとこういうミスが生まれてしまいますよね。 前半にケガで羽生を交代していたのですが、2点のビハインドもあってポポヴィッチ監督は57分にエジミウソン、63分にヴチチェビッチと攻撃のカードを切ってきます。 しかし、次の得点を奪ったのも鹿島でした。 69分、レナトのスルーパスを受けた遠藤は相手DFにつかれて足を止めた状態から雑なパスを出して引っかけてしまいますが、こぼれ球を体を張ってマイボールにして小笠原に預けると攻撃を作りなおし、レナトとのワンツーから右足でゴールを奪います。 やはりこれまでも言って来たようにボールホルダーを追い越す動きがあるとチャンスは作れますよね。 レナトのパスセンスと精度の高さ、前半から何度となく裏を狙っていた遠藤の動きが得点に繋がりました。 続く71分にはレナトの縦パスを受けた大迫がターン、ドリブルで仕掛けると相手DFを3人引きつけてフリーのドゥトラへ。 これをきっちり左サイドへ決めて4点目を奪います。 大迫のポストプレイの秀逸なところはボールを受けて落とすだけでなく、隙があったら前を向いて仕掛けられるところですよね。 しかも、パスはドゥトラよりもずっと上手いです。 4点差がついたということで大迫に代えて興梠、ケガの新井場に代わって昌子が入ります。 遠藤と西の崩しからいきなり興梠はビッグチャンスを迎えるも権田の好セーブに防がれてしまいます。 興梠もポストプレイはできますが、やはり大迫の役割をするには物足りないですね。 左サイドバックに入った昌子はよく周りに指示してマークがずれないように積極的にプレイしていましたが、慣れないポジションだけあって位置取りが悪かったです。 人数は揃っていたのですが、真ん中を気にし過ぎてサイドの選手をフリーにし過ぎて結果、CKを与えてしまいます。 そのCKから高橋に決められてしまうのですが、マークについていた昌子はセオリー通りに相手とゴールの間にポジションニングしていましたし、高橋のシュートが上手かったとしかいいようがないです。 それよりも問題なのは最初にシュートを放ったエジミウソンについていた西ですね。 振り切られて間合いを取られたのですが、その後体を寄せて前を向かせないようにしなければいけなのですが全体的に守備が軽いです。 前節のレアンドロの2得点もそうですが、どうして能力の高い外国人選手に守備の軽い西がつくことになっているのか不思議ですね。 この試合ではここのところミスの多かったGKとDFラインは集中力を高く保って守れていたので残念な失点でした。 しかし、ドゥトラの遠目からのスーパーゴールが飛び出し、ハットトリックでトドメを刺すと青木の2つのビッグチャンスなど最後まで攻めの意識を持ちつつ、しっかり守って内容も充実したおもしろいサッカーで久しぶりの勝ち点3をゲットしました。 3得点の活躍をしたドゥトラはついにでたイエローハット賞ということで、リクシル賞は攻守に奮闘した大迫が選ばれましたね。
シャドーストライカー・ドゥトラ この試合で懸念材料だったドゥトラの使い方に目処が立ちました。 ドゥトラの特徴は、視野が狭く判断力が乏しい、足元の技術がなくミスが多い、パス・シュートの精度が低い、シュートを打つのが好き、運動量は多いということです。 それがこれまで鹿島のサッカー、周りの選手とマッチしていなかったのですが、この試合ではプレイスタイルがガラっと変わっていました。 視野が狭く判断力が乏しい→4-2-3-1にして近くに選手を置けばいい 足元の技術がなくミスが多い→ボールに触らせる回数を減らせばいい パス・シュートの精度が低い→ペナルティエリア内でフリーで前を向かせればいい シュートを打つのが好き→パスを出さずに放っておけば中央に入って来てくれる 運動量は多い→攻撃時はしこたまフリーランニングしてくれる その結果、出た答えがシャドーストライカーという役割です。 これはこーめいも目から鱗の180°のスタイル転換ですね。 FC東京で言えば羽生、日本代表で言えば岡崎のようなプレイスタイルですからね。 ドゥトラと言えば最大の特徴はあのごりごり行くドリブルで、どうしてもそれをどう生かすかを考えてしまうのですが、もはやそんなものはオマケでしかありません。 キープ力とパスのある大迫、レナト、遠藤が起点になってドゥトラの攻撃したい、シュートを打ちたいという気持ち、運動量が多いという特徴を生かしてゴール前に入らせます。 実際にこの試合でもよく見返してみると、ドゥトラはやはりパスミスが多く大迫からいいパスが出て来ることはあってもその逆はなく、くさびのボールを受ける場面でもトラップミスが多かったです。 また、サイドに開いてボールをもらおうとしていた時もありましたが、パスをしてもらえず、攻撃の組み立てにはほとんど参加していませんでした。 鹿島の攻撃のリズムが良くなったのはドゥトラがボールを触らなくなってからなんですよね。 結果、運動量とフリーランニングを生かしたシャドーストライカーとして覚醒したということです。 最後の3点目のゴールはそうそう決まるようなものでもないですし、ペナルティエリア内でフリーで前を向く状況を作るのも実際はそんなに簡単ではないのですが、この新布陣はドゥトラの新たな可能性を引き出しましたね。 技術が低いためMFとしては致命的にパスが出せず、相手DFの厳しいマークにさらされるFWとしてはボールがおさまらない、そんなドゥトラにとってシャドーストライカーは青天の霹靂と言っていいくらいの新境地です。 周りの選手が起点になって攻撃を作れば今後もドゥトラは活躍してくれそうです。
雑さを洗練すればさらに強く 札幌戦に大勝したときに「2度目の大勝は覚醒か、気のせいか…の札幌戦」というタイトルで記事を書いて気のせいだと思っていましたが、今回の大勝は覚醒の予感がします。 ようやく選手それぞれの役割がはっきりしてそれがいいバランスでハマった感じですね。 ただ、とりあえずドゥトラはこのシステムでないと機能しないでしょうし、このシステムは大迫がいないと機能しないでしょう。 しかし、今季はこの戦い方で行けばいいと思いますし、守備的に行きたい時はドゥトラのところに柴崎を置いてボランチに本田を入れるオプションもあると思います。 あとはDFラインを低くしてゴール前を固める守備的なクラブ相手に同じように戦えるかですが、この試合でやっていたようにポストプレイ、フリーラン、裏を狙う動きなどそれぞれが自分の役割をしっかりやれば崩せると思います。 守備に関してはDFラインの集中力も高かったですが、ミスした後の試合だからではなくこのレベルの集中力をずっと続けていく必要がありますね。 そして、一番気になったのはプレイの雑さです。 大迫はポストプレイやパスの精度は高いですがシュートが雑、遠藤はパスが雑、ドゥトラはペナルティエリア内で前を向いてフリーでのプレイ以外は全体的に雑、柴崎は全体的に精度が高いですが疲労が蓄積すると雑に、小笠原はコンディション次第では雑な時があり、両サイドバックは攻守に雑で、守備は本田以外の選手は基本的に雑なことが多いです。 セットプレイもここのところ気になっていましたが、ターゲットがいないのもあるものの攻撃ではあまり可能性を感じず、守備ではほとんどシュートを打たれていましたからね。 これらの雑な部分を洗練させることができれば一気に強くなると思います。
天皇杯・鳥取戦 水曜日は天皇杯3回戦、ガイナーレ鳥取戦です。 鳥取の試合は昨季はけっこう観ていたのですが、今季は観ていないのでよく知りません。 トーナメント戦ですから筑波大戦同様にメンバーは割とガチで行くのでしょうね。 先のことを考えてGKは佐藤を使ってほしいです。 FC東京戦は接戦になれば後半に本田を起用していたでしょうが、本田の温存はこの鳥取戦とナビスコ杯の柏戦を見据えてのことではないかと思います。 まだコンディションも完全ではないようですからね。 とは言え、一発勝負ですから鳥取戦は本田先発で行くのだろうと思いますが、あとのメンバーは分からないのでどういう起用になるのかそれも楽しみにしておきます。 このFC東京戦の勝利が気のせいではないと確信できる試合を見せてもらいたいですね。
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【J1第27節】何かを変えようという意識が見えたものの勝ち点2を逃す…のG大阪戦 |
【結果】 9月29日(土) 2012 J1リーグ戦 第27節 G大阪2-2鹿島(16:03/万博/14,163人) [得点者] 09' レナト②(鹿島)←大迫勇也⑥ 25' レアンドロ(G大阪) 38' ドゥトラ③(鹿島) 90'+2 レアンドロ(G大阪) [フォーメーション] FW:大迫 MF:ドゥトラ、レナト、柴崎 MF:本田、小笠原 DF:イバ、青木、岩政、西 GK:曽ケ端 [選手交代] 56分:ドゥトラ→遠藤 74分:本田、レナト→昌子、本山
【試合の感想】 困った時の4-2-3-1 ホームのG大阪は4-4-2の布陣、鹿島は4-2-3-1、結果が出ないときに敷かれるのがこの布陣で鹿島サポーターにとってはお助けオプションとしてお馴染みになって来ています。 成績と内容が低迷していた昨季もこーめいはこの布陣の採用を提言して、実際にオリヴィエラ監督も用いた布陣です。 鹿島のサッカーは4-2-2-2の布陣で、前線の4人が距離を近く保ちつつ流動的にポジションチェンジをしてFWのポストプレイや中盤の選手のボールキープでバイタルエリアで起点、タメを作ります。 もちろんそのまま中央を崩すこともありますが、相手の守備が中央に寄るとスペースの空いたサイドにサイドバックが思い切りよくオーバーラップをして攻撃を仕掛けます。 これが攻撃の最大の特徴なのですが、昨季からそうであったように鹿島のサッカーができていない時は4-4-2のフラットの布陣になっていることが多いです。 そうすると選手間の距離が開いてパス交換、ポジションチェンジができなくなり、なおかつ鹿島にはサイドハーフタイプのドリブルで仕掛けていく選手がいないので攻撃が手詰まりになります。 それを改善するのが4-2-3-1のフォーメーションです。 トップ下を置くことで前線4人の選手間の距離が近くなってパス交換をしやすくなり、守備では2列目の3人でブロックを作って守ることでボランチから後ろの選手がインターセプトを狙いやすくなるという効果もあります。 序盤からホームのG大阪がポゼッションをするものの、鹿島はこの布陣が功を奏してしっかりブロックを作って守り、9分にはレナトのミドルシュートで先制点を奪います。 得点に至るまでは多くのパスが繋がったのですが、最初のヘッドでの落としを含めて大迫が起点になるシーンが2度あり、さらにドゥトラ、大迫、レナトがいい距離感でパスを回せていました。 レナトのミドルシュートのセンスと精度の高さも流石ですが、この4-2-3-1の狙いがハマった形での先制点でした。 先制した後は鹿島にG大阪に押し込まれますが、この日先発出場となった本田が広範囲にいち早く危険なスペースを埋めて存在感を発揮します。 特に「ドゥトラが攻撃に専念できるように」というコメント通り、ドゥトラの裏をよくフォローしていましたね。 これも鹿島のサッカーの特徴でファーストボランチが中央だけでなく広く動き回って、サイドも危ない所は真っ先にケア。 特に攻から守への切り替えの場面では重要で、相手の攻撃をディレイして時間を作ることで前線の選手が戻ってプレスバックしてボールを奪ったり、空いているスペースをフォローするという形になります。 G大阪に攻められていたものの、シュートまでは打たせないで上手く守れていたのですが、曽ケ端がやらかしてしまいます。 バックパスをされた時点で危ないと思っていたら、案の定レアンドロにパスしてしまいました。 自ら防いで失点は免れるものの、これで川崎戦、横浜FM戦に続いて3試合連続の凡ミス、もうここまで来るとまたか…というより、レアンドロに渡った時点でやっぱり…という想いでしたね。 GKがこんな気の抜けたプレイを頻発していたはDFラインも引きしまらず、25分にはスローインから青木がヘディングの対応を誤ってしまい、レアンドロに同点ゴールを決められてしまいます。 ニアに走り込んだ二川には青木がついていたのですが、CBの対応じゃないですよね。 相手の背中を手で押しながらジャンプするという中途半端な対応で競り合って、自分の頭に当てて中央にフリックする形となっていますから。 二川に体をぶつけるようにしてボールに対してジャンプして競り合えば、競り勝てるかもしくは二川に自由にプレイさせずに中央へ折り返されることはありませんでした。 そのボールのこぼれた中央ではレアンドロに西がついていたのですが、まったく守備する気持ちがないですよね。 西がレアンドロについているから岩政はそちらにいっても対応してくれると思っていますから、何もしないならいない方がいいです。 西がいなければ岩政が一番危険なところを見逃さずにフォローに入っていたはずですから。 守備の基本すらできてないですし、曽ケ端のミスを含めて本当に守る気あるのかなというプレイが続いてしまっては失点するのも当たり前です。 そこからはG大阪ペースになってレアンドロがペナルティエリアに切り込んでのシュート、CKの流れから今野のヘッドと危ない場面を作られます。 その後も西がDFラインでのボール回しからボールを奪われるなど、青木含めてそういうシーンがこれまでも3回ありました。 このまま悪い雰囲気に陥りそうだったところ、後ろのドタバタにめげることなく、前線の選手がやってくれます。 レナトのミドルシュートを、こちらもやらかしてしまうことでは定評のある藤ヶ谷がファンブルするとドゥトラが猛然と詰めて行って押し込みます。 さすがにこの距離ではドゥトラも枠をはずしませんでしたね。 この得点場面もドゥトラ、大迫、レナトがいい距離感でいれたことがゴールに繋がりました。 距離感もそうですが、パスの出せるレナト、柴崎、起点になれる大迫という配置でレナト、ドゥトラ、大迫、興梠の時よりも全体のバランス、選手のタイプのバランスも良くなりましたね。 ロスタイムには岩下のバーを叩くシュートを見舞われたものの、鹿島が1点リードで後半を迎えることとなります。
相手を封じた守備とボール回し 後半に入るとG大阪は阿部に代えて佐藤を投入、家長を2列目に下げます。 もちろん得点を取りに行こうと手を打ったのでしょうが、後半は鹿島の4-2-3-1の布陣がさらに機能し始めます。 最初の10分こそ、遠藤のミドルシュートとダイビングヘッドにゴールを脅かされますが、鹿島もFKから大迫が抜け出してループを狙ったシーン、カウンターからポストに当たったシュートなど決定機を作ります。 56分にドゥトラに代えて遠藤を入れてからはパス回しがスムーズになって攻守に安定します。 この交代はドゥトラがイエローカードをもらっていたこともありますが、守備とボールキープのことを考えてのことでしょうね。 実際にそこからの試合展開はG大阪がボールを持つものの、鹿島のゴール前まではなかなか運べずに、シュートも遠藤のFKや家長の苦し紛れのミドルくらいで完全に攻めあぐんでいましたね。 逆に鹿島はボールを奪ってからカウンターを狙います。 70分には遠藤、レナトと繋いでから小笠原のロングスルーパスから大迫がチャンスを迎えますが、足を滑らせてしまいます。 後半はほとんど危ない場面はなく、鹿島のペースで試合は進んでいましたね。
足を引っ張るGKとDFライン それは76分の選手交代があってからもそうでした。 本田が足をつって交代を要求、そのタイミングでレナトも下げて昌子、本山を投入、青木をボランチにシフトします。 ここからが鹿島の正念場でした。 本山が入ってからはさらにボール回しがスムーズになって鹿島のポゼッションが上がります。 それにともなってチャンスも鹿島の方が作れていました。 守備でも失点しそうな雰囲気はなかったんですけどね。 GKやDFラインのミスでもなければ…ですが。 ここの所、足を引っ張っている守備陣がロスタイムに悲劇を引き起こしてしまいます。 結局、1失点目と同じ形なんですよね。 センタリングを青木がフリックする形になって、レアンドロを見ていたはずの西がボールにつられてフリーにしてしまっています。 運動量の多い前線の選手は疲労がありますし、どうしてもこういう試合展開だと終盤は押し込まれるのは仕方ないのですが、そこを守りきるというのがGKとDFラインにかかっていますし、見せどころですよね。 あの場面でニアの高目とGKの反応できないところを狙うレアンドロは流石ですが、後ろの選手がこれだけ単純なミスを繰り返してしまうという所に最大の問題があります。 川崎戦同様にまたもや勝ち試合を逃すという残念な結果となりました。
来季を見据えての4つの課題 勝つためには何かを変えなくてはいけないということで、この試合では遂に本田の先発起用、布陣を4-2-3-1にするという変化がありました。 そして、その狙いは攻守に確実にいい効果をもたらしていました。 しかし、それでも勝てなかったということは、まだまだ上を目指して改善していかないといけない課題があるということです。 まず1つ目は本田がコンディション的にまだ90分は無理そうなので、残り15分~20分をどう守るかということです。 この試合では昌子を入れて青木を1つ前に上げましたが、こーめいは本田同様に守備範囲が広くてボール奪取の上手い梅鉢の起用をおすすめしますね。 疲労の溜まる残り15分で運動量の多い梅鉢を入れれば効果は大きいと思いますし、守備だけでなくカウンターの起点にもなると思います。 2つ目の課題はやはりドゥトラの起用の仕方ですよね。 この試合では得点はしたものの、それほど効果的なプレイはできていませんでした。 選手間の距離を短くしてパスを繋いでいくなら遠藤を起用した方がいいですからね。 逆に終盤にサイドでボールをもらった遠藤、本山が詰まるところがあったので、そこがドゥトラだったら単独で突破して2,3人で攻め切ってしまうという形の方が有効だったと思います。 3つ目は、これまで何度も言って来ましたが、決定力です。 この試合では大迫が1トップとしてハイボールも足元へのボールもよく収めて攻撃の起点になっていました。 実際に2点ともに絡みましたし、守備でも奮闘、ボールを奪われた後も切り替えを早くしていましたね。 ただ、後半に3回程得点できるチャンスもあったので1点は取りたかったですね。 結局、鹿島はレアンドロの決定力で勝ち点2を失った面もあるわけですから。 決定力については来季いい補強をするしかないですね。 あとは大迫にはプレイ、精神面の両方でかなりの成長を感じられるので決定力も上がってくれればと思います。 しかし、決定力以上に問題なのがGKとDFラインの選手の質です。 これが4つ目の課題ですね。 この試合でも曽ケ端は致命的なミスをしましたし、岩政は流石に体を張って守る場面もありましたが足をよく滑らせ、青木と西はミスを連発、新井場も守備がいい選手ではないですから。 要するに守備で計算できる選手がいないのが10シーズンから勝ちきれない試合が増えている要因の1つでしょう。 GKの変更とDFラインのテコ入れの必要性にはこれまでも触れましたが、GKは佐藤という選択肢があるものの、DFラインはテコ入れしようにも守備が計算できる選手がいないんですよね。 中田はようやくケガから復帰して練習に合流しましたが、山村がケガで控えは昌子のみ。 サイドバックはやはり両方攻撃的な選手でなく、一枚は守備ができる選手にしたいのですが西を代える選択肢は伊東、鈴木、土居になります。 気付いたと思いますが、DFラインにテコ入れしようにも主力の控えとなると、山村を含めて1、2年目の選手になるわけです。 これは明らかに中堅の選手を育てられていないのが原因で、それは今季のジョルジーニョ監督に問題があるわけでなく、オリヴェイラ監督の失態です。 07年以降に入団した宮崎、當間、石神、笠井、ボランチでは船山、鈴木、前線の選手では川島らを育てることができずにほとんど起用しないまま放出。 もちろん起用すれば全員がレギュラーになれたわけではないですが、宮崎は10シーズンに天皇杯優勝に貢献しましたし、現在は上位にいる磐田でレギュラーとして活躍しています。 その宮崎すら起用せずにジウトンを優先して使っていましたから。 それに、鹿島のスカウトは優秀ですからいい新人選手を獲得しているのは誰の目にも明らかです。 要するにオリヴェイラ監督に育成能力と選手を見る目がなかったために、中堅選手がスカスカ状態になっているわけです。 そのため、鹿島の新人選手を育ててレギュラーにして足りないところは他クラブから獲得するという方針を崩して、本田や西を移籍金をかけて積極獲得、外国人もジウトン、アレックス、ガブリエル、イジョンスなどオリヴェイラ監督お気に入りに加えて、カルロンやタルタを獲得しましたが誰一人満足な働きが出来ませんでした。 これだけ育成に加えて補強も失敗すればチームが弱くなるのも当たり前です。 だから、現在主力の控えが1、2年目の選手という事態になっているわけです。 つまり、中堅選手が育ってないのを非難するのは、オリヴェイラ監督を非難するということです。 こういう状況ですからDFラインにテコ入れしようと思ったら来季に補強で何とかするしかないですね。 現在手を打つとするなら中田が復帰、もしくは昌子をCBに起用して青木を右サイドバックにするくらいでしょう。 あまり後ろは変え過ぎてもいけないので、GKを代えるならDFラインはそのまま、DFラインにテコ入れするならGKはそのままにするのがいいと思います。 ここのところ2得点した試合は磐田、川崎、G大阪戦です。 磐田戦も誤審に助けられなければ、どれもGKとDFラインの単純なミスから追いつかれて勝ち点2を失っている試合となっています。 勝負弱いのは引き分けが多かった昨季、一昨年も同じ、単純に選手を育てられずに補強で失敗してDFラインの選手の質が下がっていることが一番の原因です。 来季の補強は気合いを入れてやらないといけないですし、これ以上の失敗は許されませんよ。 とりあえずこの試合は何かを変えようと布陣とメンバーをいじってその効果が出ていましたから、引き続き改善するためにできることをして欲しいですね。
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