8月の鹿島:采配も停滞で立て直しが必要 |
 8月の試合の感想 8月は霧の中の戦いからスタートでした。 この試合は、選手も言っていたように逆サイドやGKから相手ゴール付近も見えなかったということですから、戦いづらかったでしょうね。 そのため、内容は良くなかったですが、仙台戦はとりあえず勝てばOKという感じでした。 続く神戸戦は先制されるも、金崎の2ゴールで逆転勝利しました。 土居に代わって鈴木が入ってチャンスメイク、同点になったことで勢いが出ましたからね。 しかし、川崎戦では完膚なきまでに叩きのめされました。 立ち上がりから川崎のプレスの前にビルドアップが満足に出来ていませんでしたね。 川崎は4-2-3-1の布陣でしたが、ボランチが下がって両サイドバックが高いポジションを取って3-6-1の形になる場面も多かったです。 鹿島は中盤の人数で負けていましたし、川崎のプレスにDFラインの裏を狙うロングボールも精度が低かったです。 そのため、前半から大岩監督が布陣の変更を指示したのも分かります。 ただ、それは攻撃を考えたらの話で守備には悪影響が出ていましたし、急な布陣変更と慣れないシステムで鹿島の選手は戸惑っていましたね。 その間に2失点してしまい、その後も失点。 この試合も途中出場の鈴木が最後に一矢を報いますが、完敗と言ってもいい試合でした。 確かに攻撃は機能していませんでしたが、守備は何とか耐えていたので後半早めに鈴木を投入してサイドからのクロスで攻めていく采配の方が良かったと思います。 中盤の支配力を高めるためのシステム変更という意図は分かりますが、リスクも大きかったですし、前線に高さのある鈴木を入れて頭に当ててこぼれ球を拾う、サイドからDFラインの裏を狙って早いクロスを入れる方が正解でした。 清水戦はレアンドロの早めの先制点で試合を有利に進めて、順位通りの無難な結果になりましたね。 8月最後のリーグ戦は上位対決のC大阪戦でした。 この試合も川崎戦同様に相手のプレスに苦しめられましたが、土居に代わって鈴木が入ってから流れが変わりましたね。 決勝点は金崎のクロスに鈴木が飛び込んでDF2人を引きつけます。 そのおかげでファーサイドでフリーになっていたレアンドロが落ち着いて決勝点を決めました。 このC大阪戦に勝利したことで、リーグ戦はすこぶる順調と言っていいでしょう。 ただ、その後のルヴァン杯の戦い方はまずかったですね。 もちろん、代表に昌子と植田を取られていたので最初から厳しい試合になると思っていたのですが、それだけにアウェイの初戦で曽ケ端と金崎を先発からはずすとは思いませんでした。 こーめいからするとCB2枚が替わるとなるとかなり大きな変化ですが、大岩監督はそう捉えなかったんでしょうかね。 2トップも土居と途中出場ばかりの鈴木ということで軸がなく、攻撃が不活性化していました。 しかもレアンドロとブエノが退場と2戦目の反撃にも響く結果となってしまいました。 この頃は安部がケガしていたのも大きかったですね。 ホームでの2戦目は9月に入っての試合ですが、キリがいいのでここまで触れておくと、この試合も守備が不安定でセットプレイからの失点がありましたが、鈴木の2得点、ケガから復帰した安部の得点と途中出場の選手が活躍して勝利しました。 しかし、失点があまりにも多く2戦合計の結果では届かず、ルヴァン杯早くも敗退となってしまいましたね。
敗因を考える 8月は2敗を喫してしまったということで、勝ち点を落としたFC東京戦と合わせて敗因を考えて行きたいと思います。 ①ボランチに三竿健がいなかった FC東京戦、川崎戦、ルヴァン杯の仙台戦と勝てなかった試合はすべて三竿健が最終ラインに入っていました。 川崎戦はボランチでの先発でしたが、途中から最終ラインに入ってまさにその時間帯から失点してしまいましたからね。 FC東京戦は植田が負傷中で、仙台戦は前述の通りCB2人が不在でした。 仙台戦はセットプレイからの失点がほとんどでしたが、ボランチに三竿健がいるのといないのではDFラインの前で相手の攻撃を止められるかどうかに大きな違いが出て来るんですよね。 バイタルエリアでの守備がいいとDFラインが脅かされるケースが少なくなりますし、そこで止められなくても三竿健の守備があるとDFがいい形で守ることができます。 逆に相手はバイタルエリアの守備をかいくぐってから攻めないと行けないので、その先の攻撃に無理が出てしまうんですよね。 控えにはブエノがいますが、やはりもう1枚CBで計算できる選手が欲しいところです。 仙台戦は仕方ないですが、できるだけ三竿健をボランチから動かさないようにしないといけないですね。 ②2トップが万全ではなかった FC東京、川崎戦は3連戦の3戦目アウェイでどちらも2トップは3戦先発していました。 FC東京戦はPJの個の力で追いつきましたが、やはり2人とも3戦先発だと運動量や球際の戦い落ちてしまう部分が見られます。 アウェイの仙台戦にいたってはFWの軸がいなかったわけで、あれではなかなか勝てるものではないですね。 ここは以前から言っているように鈴木や金森をもっと使って行って軸になれないまでも、そこに近づけるくらいの存在にして、上手くローテーションしていかないといけないです。 やはり連戦になると、軸になれるFWがチームに2人はいないと厳しいです。 PJが戻ってくれば前線の破壊力が上がるのはもちろん、ローテーションももっと楽になるんですけどね。 ③運動量が少ない 連戦になるとやはり全体的な運動量が減る傾向にあります。 それによって、選手間の距離が微妙に広がってパスがずれる、通らないという状況が多くなっていますね。 これはローテーションをもっと上手くやりながら選手のコンディションを保つ、フレッシュな選手を起用していくということをやっていかないといけないですが、もう2つ重要なことがあります。 1つは伊東のような運動量の多い選手を起用するということですね。 走れる選手、後ろから追い越せる選手がいるといないとでは、前の選手の負担も全然違って来ますから。 逆に消えているだけの選手は他の選手の負担を増やしているだけになりますから、普段からボールに絡めない、身体を張れない選手ははずすようにすべきです。 この2つを心掛ければ、攻撃を活性化できると思います。 ④中央に攻撃が偏りすぎ 以前にブログで「中央・サイド・流動性」によって、分かっていても止められない攻撃をと書きましたが、今の鹿島は攻撃が中央に偏っていますね。 対戦相手も鹿島のことを研究して来ていますから、パスを繋いで中央から攻撃するなら前からプレスをしっかりかける、バイタルエリアで厳しく当たって前線の選手に簡単にボールをキープさせないってことをやって来ています。 そこでボールを奪ってカウンターっていう狙いですね。 これは当たり前の対策で、実際に川崎戦、C大阪戦、仙台戦は前からのプレスに苦しんでいました。 川崎戦、C大阪戦、ホームの仙台戦、いずれもサイドからのクロスで得点を上げています。 これはすべて鈴木が入っている時間帯なんですよね。 金崎と土居の2トップだと、金崎がボールを受けるためにサイドに流れて攻撃の組立てに参加することが多いです。 そうすると土居がゴール前にいることになるのですが、これだと相手からすればまったく怖くないですし、センタリングを上げても跳ね返されるだけになってしまいます。 ところが、鈴木がいるとマークに付かれていても競り勝てますから、相手からすればかなりの脅威なんですよね。 そのため、鈴木自身のゴールも生まれていますし、C大阪戦のようにDFを引きつけて味方をフリーにというメリットも生まれます。 そして、なんといっても鈴木がゴール前にいればサイドから早めにクロスを入れられるので、相手の守備を崩す必要がないんですよね。 そうすれば相手のプレスが強くても得点の形は作れますし、アーリークロスをDFラインの裏に入れれば相手はラインを高く保つことが怖くなります。 そうするとプレスやバイタルエリアでの守備にも影響が出て来て、中央からの攻撃もしやすくなります。 現在の鹿島は中央からの攻撃に偏っていて、鈴木が出てからサイドからの攻めの形が出来て得点を奪えている状況ですから、やはり早めに鈴木を先発で起用するようにすべきですね。 もっとサイドから攻撃できれば、相手も中央だけに絞って守備することもできなくなるので、鹿島の攻撃を分かっていても止められなくなるでしょう。
9月の展望 ルヴァン杯はすでに敗退してしまったので、リーグ戦と天皇杯のタイトルは何としても獲らないといけません。 特にDAZN初年度の今季は、リーグ戦優勝は至上命題です。 9月のリーグ戦は大宮、新潟の下位クラブとの対戦から始まるので、ここで鈴木、安部、金森あたりを上手く先発で起用して行きたいですね。 西がケガでまだ先発出場はしないようですから、伊東の活躍に期待です。 伊東はオーバーラップのタイミングがいいですし、シンプルにクロスを入れるので鈴木と一緒に起用してほしいところです。 PJや安部のケガはありましたが、こーめいが想定していたより大岩監督は前述した選手たちを上手く使いきれていないですね。 それが連戦や8月の結果に出てしまっています。 そして、9月も新潟、浦和、G大阪と3連戦があります。 浦和戦は天皇杯と言ってもこれまでのようにメンバーを大幅に変更することはできないですからね。 しかし、今回の3連戦はFC東京や川崎戦と違って、3戦目をホームで戦うことができます。 そのアドヴァンテージは上手く活かしたいですね。 浦和戦まで2試合しかないですが、伊東、鈴木、安部、金森を先発の戦力としてどれだけ組み込めるかが鍵となりそうです。 残されたタイトルを確実に獲るためにも、4度目の3連戦こそ失敗せずに3連勝と行きましょう。
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