【結果】 10月13日(土) 2012 ヤマザキナビスコカップ 柏2-2鹿島(19:04/柏/13,527人) [得点者] 12' ドゥトラ②(鹿島)←大迫勇也① 24' 大迫勇也⑦(鹿島)←ドゥトラ① 37' ジョルジワグネル(柏) 90'+4 ネットバイアーノ(柏) [フォーメーション] FW:大迫 MF:ドゥトラ、レナト、遠藤 MF:本田、柴崎 DF:イバ、青木、岩政、西 GK:曽ケ端 [選手交代] 85分:ドゥトラ→増田 90分:レナト→本山 90+3分:遠藤→興梠
【試合の感想】 先制点で流れを読み込む 柏は4-2-3-1、工藤と田中が縦関係になり、出場停止の栗澤、ケガのレアンドロ・ドミンゲスのところにはそれぞれ茨田と水野が入りました。 鹿島もフォーメーションは4-2-3-1、鳥取戦のメンバーから推察されたように快勝したFC東京戦から出場停止の小笠原が本田に代わっただけでした。 立ち上がりから柏が攻めて来ますが、最初のシュートは鹿島。 柏のFKからの横パスを新井場がインターセプト、そのままミドルシュートを放ちますが枠には飛びません。 すると5分には柏の水野がフリーでシュート。 岩政の誰に出したか分からないパスが西に当たってボールを奪われると中央へのクロスのこぼれ球がファーサイドの水野にこぼれますが、このシュートも枠を外れます。 そのゴールキックから今度は大迫が抜け出してシュートを打ちますが、これはDFに阻まれます。 最初からシュートが飛び交う展開となりますが、鹿島は序盤DFラインがあたふたしている場面が目立ちましたね。 水野のシュートの場面も岩政のパスミスから始まって、クロスを青木が中途半端なタッチで柏の選手に当ててしまい、その後にも岩政のタッチラインへのヘッドのクリアが中途半端になって相手に拾われ、10分にはDFラインのボール回しから青木がリスクの高いダイレクトパスを狙ってインターセプトされるなど繋ぐのか、クリアするのか、キープするのか、その判断が非常に曖昧でした。 また、攻撃ではDFラインからの精度の悪いロングボールが多く、この2つが序盤に押し込まれた原因でしたね。 そのため、柏もより攻撃的に来ていてDFラインをかなり高くしていたのですが、左サイドバック橋本の裏のスペースを大迫が狙うとそこに西からいいフィードが出て来ます。 ここでようやく鹿島の前線にボールが収まり、落としのボールを受けたドゥトラから中央へポジションを移した大迫へ再び繋ぐと、ミドルシュート。 これはDFに当たってまたまたボールは大迫の足元へ。 今度はスルーパス、ダイアゴナルに走ったドゥトラが抜け出して左足で逆サイドのネットを揺らします。 角度のないところからでしかも左足でしたが、やはりドゥトラはペナルティエリア内でフリーで前を向くと決定力はありますね。 大迫とドゥトラの2人だけのパス交換から生まれたゴールでしたが、西の右サイドを追い抜く動きも良かったですし、レナトが前線に入ってDFラインを下げる役目をしていました。 FC東京戦のドゥトラのゴールの時も遠藤が前線に入ってその役目をしていましたし、オフザボールの動きも格段によくなっていますね。 立ち上がりDFラインがバタバタしていただけにこの先制点は大きかったです。 これで落ち着いた試合運びが出来るとともに、1stlegホームでのアドバンテージをさらに強固なものにすることができました。
『そこは逆』効果 先制点で勢いの出た鹿島はレナトと遠藤の絡みからオーバーラップした西のクロス、左からレナトが持ち込んでシュートを放つなど攻勢に出ます。 守備でもしっかりブロックを作って守るとDFラインも落ち着いてロングボールやこぼれ球に対処できるようになりました。 しかし、相変わらずリスタートからゴール前に放り込まれたボールには慌ててしまいますね。 23分にはロングスローからのボールを一度ははじき返すのですが、クリアボールをダイレクトで再び放り込まれるとすでにマークがずれています。 フリーのジョルジ・ワグネルのシュートが柏の選手に当たってがちゃがちゃするとこぼれ球を橋本がシュート、危ない場面でしたが曽ケ端の好セーブでCKに逃れます。 そのCKからカウンターが発動、遠藤のロングボールをドゥトラが胸トラップしてフリーの大迫へスルーパス、GKとの1対1を落ち着いて征して追加点を奪います。 遠藤はこういう後方から前線へのロングボールは得意ですね。 ドゥトラと組んで4-2-2-2でやっていた頃は低めのポジションを取ってボールを受けることが多かったので、その時もアシストの1つ手前のパスでゴールチャンスを作っていました。 ドゥトラも上手く水野の前に体を入れてトラップしましたし、前線にスペースがあったこともあって珍しくいいパスが出て来ました。 大迫のオフサイドにならないようタイミングを計った動きも良かったですね。 これで柏はアウェイゴールのアドバンテージがなくなって、鹿島にかなり優位な展開となりました。 そこからも遠藤やドゥトラがサイドでいい守備をしてインターセプト、中央では本田がこれまでの鹿島になかったディフェンスの上手さを見せてボールを奪うなどリズムよく守れていました。 それだけに前半を無失点に終えたかったのですが、ゴール前で青木がファウルを与えてしまいます。 FKから放り込まれたボールだったのですが、その大谷へのレナトのファウルがミスジャッジでしたね。 レナトはこぼれ球に対して普通にアプローチして触っていて、そこに大谷がかなり遅れて入って来ているだけですからファウルでも何でもないです。 この試合、西村主審の判定は地味に酷かったですね。 これより前にあった本田と田中の接触でファウルを取られたシーンがありましたが、これも明らかに本田の方がいいポジションを取ってボールにきちんとプレイしていました。 この後にもレナトが普通にヘディングしただけなのに、その頭が後からアプローチに入った柏の選手に当たったというだけどでファウルを取られましたからね。 どちらが正当にボールにアプローチして先に触っているか観ておらず、遅れて体をぶつけにきた柏の選手が勝手に痛んでそれをファウルにするという有り得ないジャッジの連続でした。 こーめいの西村主審に対する評価は、『Jリーグではマシな方だがレベルは低い』というものですがその評価相応の拙いジャッジが多かったです。 それにしても、2試合連続でFKを直接決めて来るジョルジ・ワグネルはやはりすごいですね。 1点差にされたものの、鹿島はすぐに反撃を開始、先制点同様に『そこは逆効果』が発動します。 左サイドで粘ってボールをキープしたレナトからのパスを受けると大迫がスルーパス、抜け出したドゥトラが茨田に倒されてPK判定となります。 ここも遠藤が前線に入ってDFラインを押し下げているのでオフサイドにならなかったですし、大迫→ドゥトラのホットラインは今や強固なものとなっていますね。 橋本がカバーに入っていたということでイエローカードの判定でしたが、フリーで前を向いていたのでカバーに入ってきた選手も切り返し1つで簡単にかわせるので、ファウルがなければ得点の可能性は高かったんですけどね。 レッドカードでもおかしくなかった場面です。 3点目を決めたら試合は完全に決まっていたのですが、このPKを大迫が止められてしまいます。 PKは興梠の方がまだ上手いですね。 ジョルジーニョ監督は試合後にフォローするコメントをしていましたが、スピードもなければコースも甘く、GKとの駆け引きもできていないので止められて仕方なかったと思います。 しかし、今のチーム状況だと前線でのキープ、チャンスメイクや守備を頑張っている大迫がPKを蹴るべきだとこーめいも思うのでしっかり練習しておいてほしいですね。 1点取ってPKも阻止して勢いの出た柏でしたが、鹿島の選手はこれを落ち着いていなして前半は1点リードのまま折り返します。
引き分けは反省材料 少なくとも2点は取らないといけない状況のため、後半の頭からネルシーニョ監督が動いて来ます。 水野に代えてネット・バイアーノを入れて布陣を4-1-2-3に変更して来ました。 攻撃的に来る柏にも鹿島は落ち着いて対応、布陣変更にも徐々に慣れてきます。 51分には新井場のクリアを那須がトラップミス、これをフォローした近藤が負傷。 昨年柴崎もありましたけど、こういう味方のミスをフォローしようと無理した時に筋肉系のケガをしてしまうことが多いんですよね。 これによって柏は増嶋が入り、那須が左サイドに回ります。 ここからは柏が攻めて、鹿島が守ってからカウンターという流れが強くなります。 63分には左サイドを上がっていた橋本のパスのこぼれ球を工藤がフリーでシュートを打つのですが、曽ケ端が好判断で飛び出して防ぎます。 鹿島も大迫のドリブルでの仕掛けや上がった柴崎が絡んで柏のゴールに迫ります。 さらに大迫のキープ、遠藤が絡んでのドゥトラの左サイドの仕掛け、西のグラウンダーのクロスにドゥトラ、柴崎が飛び込むシーンなど中央で合えばゴールというところまで行きます。 シュートで終わるのはいいことなのですが、この辺りから遠目からのちょっと雑なプレイが多くなって来ましたね。 一方、柏の攻撃はそれ程怖さがなくなって来て危ないシーンはリスタートくらいかなという感じでした。 しかし、今の鹿島は高確率でロスタイムに失点するのでそれ程余裕もなく、90分の時点で追いつかれると非常にまずい状況でした。 2失点しても負けではないですが、延長戦には行きたくないですからね。 81分のFKからの増嶋のヘディングシュートはポストに助けられます。 鹿島もドゥトラのシュート、遠藤がペナルティエリアに切り込んでのシュート、遠藤のスルーパスからレナトのシュートなどで反撃。 2列目の選手は守備にカウンターにと相当アップダウンしていましたが、終盤もよく動いてチャンスを作り、決定機は鹿島の方が多かったですね。 攻守に負担の大きかった2列目の交代は妥当だったと思いますが、増田、本山、興梠と代わっていくうちにやはり前線でのキープ、サイドの守備と攻守に物足りなさが見えました。 左に興梠、右に増田となっていましたが守備の時の距離間、対応の仕方、守から攻への切り替えでのキープやパスを観てると現時点では先発はちょっと厳しいですね。 ロスタイムには思った通りロングスローから失点してしまいます。 DFラインも踏ん張って最後までよくはじき返していましたし、G大阪戦同様にリズムよく守れていただけにもったいないですね。 ここのところの失点は横浜FM戦が曽ケ端のミス、スローインからのドリブル突破、G大阪戦がロングスローからとセットプレイの2次攻撃、FC東京戦もセットプレイから、この試合も直接FKとロングスローでリスタートばかりなんですよね。 これは完全に集中力の問題なので修正は可能です。 あとは能力の高い外国人選手にゴールされることが多く、これは単純に後ろの選手の個の力が足りてないということですから、そういった選手との競り合い、駆け引きに勝てるよう若い選手含めてDFラインのレベルアップをしていかないといけないですね。 それと今の鹿島の永遠の課題であるDFラインのビルドアップの改善も必要です。 攻撃に関しては2点を取って勝てない試合が川崎、G大阪、柏と続いているので守備の方がやはりまず問題なのですが、チャンスを作れているだけにトドメの3点目を奪えるようにしたいです。 また、残り時間が少なくなったら鹿島るのも手ですよね。
決勝は4度目の対戦となる清水 決勝戦の相手はFC東京にホームで逆転勝ちした清水に決まりました。 今季はナビスコ杯で1度、リーグ戦で1度対戦しています。 ナビスコ杯決勝の前にリーグ戦でも対戦があるので4度目の対戦、しかも連戦となりますね。 これは鹿島にとっていいことだと思います。 清水にやられるとしたら運動量、球際での競り合いで負ける場合でしょうから、ナビスコ杯決勝の前にそれを体感できるのは大きいです。 ゴドビ監督がどういう戦術を執ってくるかも不気味ですからね。 もちろんリーグ戦でいい試合をして勝って清水にやりにくさを抱かせるのが一番ですが、苦戦してもそこから修正すればいいので鹿島にとってはどちらに転んでも大きいでしょう。 最近の清水はシュートが二桁に行った試合はなく、どうして勝てているのか不思議なところもありますが、攻撃ではサイドからのクロスとゴール前に入る動き、カウンターの精度が高いですね。 鹿島は両サイドバックが弱く、今季はサイドから放り込まれての失点も多いので気をつけないといけません。 先制されるとカウンターをされやすくなるので序盤から積極的に行って何としてでも先に得点を奪って主導権を握りたいですね。 清水の良さは何といっても運動量と球際の強さです。 若い選手が多いので90分よく動きますし、勢いに乗らせたら怖いですね。 しかし、若いだけあって大舞台に呑まれる可能性もあります。 FC東京戦も最初は固さが見られました。 初戦でリードしているのであまり攻撃に積極的でなかったFC東京の方が攻めていましたし、決定機も作れていましたからね。 その決定機をものに出来ていたら流れは完全にFC東京だったでしょう。 とにかく運動量、球際の強さを制して若いチームを勢いに乗せないようにしたいです。 次の札幌戦を勝利して清水との連戦にいい形で入りたいですね。
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テーマ:鹿島アントラーズ - ジャンル:スポーツ
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